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  • 【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」④ 猿払村役場企画政策課・新家さん~「活気ある猿払村を後世に残すこと」が使命!”広報魂”と”猿払愛”~
【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」④ 猿払村役場企画政策課・新家さん~「活気ある猿払村を後世に残すこと」が使命!”広報魂”と”猿払愛”~

【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」④ 猿払村役場企画政策課・新家さん~「活気ある猿払村を後世に残すこと」が使命!”広報魂”と”猿払愛”~

えぞ財団 2021年1月7日

「この人、エーゾ!」企画。 組織のなかで、マチのなかで、もがきがらも新たなチャレンジをしているひとを今回から紹介します。


■新家拓朗(しんやたくろう):猿払村役場企画政策課課長補佐。1998年猿払村役場入庁。1980年猿払村出身。趣味は写真撮影、野球。

北海道猿払村公式ホームページ
https://www.vill.sarufutsu.hokkaido.jp/

新家さんが現在取り組むプロジェクト"SARUFUTSU-LABO"
https://note.com/takuro_shinya/n/na39bfc58df6d


日本有数の”ホタテの村、猿払” 村全体が窮地に追い込まれた過去も知る新家さんの”広報魂””猿払愛”


 宗谷地方のオホーツク海側に面し、人口約2700人の猿払村。全国的にもホタテの産地として有名な、日本最北の村です。猿払村は昭和中期にはニシン漁の減退、炭鉱閉鎖など村全体が窮地に追い込まれた際、日本初となるホタテ稚貝の大規模放流事業を成功させ現在の繁栄に至る経緯があります。そんな猿払村で生まれ育ち、町のPR活動に人生を懸けるのが新家さんです。猿払村の歴史も知る新家さんの”広報魂””猿払愛”は入庁から2年目で早くも成果が出始めます。


 高校卒業後18歳で入庁した1年目は税務関係の仕事を右も左もわからないなか、無我夢中でこなす日々でした。転機は翌年すぐ訪れ、2年目に広報活動に携わると徐々に斬新アイデアと実行力で庁舎内外の改革を始めていきます。「当時広報さるふつ(地元広報紙)が年6回発行だったのですが、他の市町村は月一回の年12回発行が多かったのです。単純になんでうちだけ6回なの?村民には毎月情報を届けた方がいいだろうと思いました。しかし年12回にすると単純に費用も倍になるなと思い、これまでは外部にデザイン、レイアウトの発注をしていたのを広報編集システムを導入して職員自らが行う事にしました。」と2002年当時を振り返ります。


広報さるふつ | 北海道猿払村 年12回発行になった現在の広報さるふつ 



手間はかかっても良いものを!自分の考えたことが形になる”成功体験”が自信に。10億円の大事業も 


 村内外で積極的に情報を仕入れ、役場内でも改革を進める新家さんは村を紹介する冊子制作にも疑問を抱きます。「村勢要覧(そんせいようらん)という村を紹介する冊子があり、それをより良い物にしたいと思ったんです。普通行政は何社かから見積もり出してもらい1番安いところと契約するというのが通常。でもそれでよりよいものを作れるのかと。手間はかかるが、冊子制作の企画案のプレゼンを審査して、よりデザイン性や内容が優れた事業者と契約するようにした」と言うように新家さんは常に村民や地元以外から村にくるお客様の目線に立って感じる素直な疑問を解決していきました。「自分の考えたことが形になるという事を経験できたのが今の仕事に繋がってる」と成功体験で自信をつけていった新家さんはその後、光ケーブルを村内全域に張り巡らせる〝10億円〟の大事業を経験し、公務員としての活動はさらに勢いを増していきました。 

何気ない雑談から生まれたアイデア。ホタテや毛ガニなどの”王道海産物”に次ぐ意外なヒット商品が!?


 猿払村といえば”ホタテ””漁業”のイメージが強い中、新家さんはその固定概念からさらにもう一歩先に進みたいと考えていました。そんな中である何気ない職場の人たちと飲み会の会話がきっかけで”新たな村の魅力”を思いつきます。「数年前に村で何をやりたいかという話しになった時に出たアイデアの1つに、イチゴを猿払村で栽培できないかというのがあって」北海道の寒い気候でイチゴ!?と驚くかもしれませんが、漁業、酪農に次ぐ第3の産業を生み出したいと考えていた新家さんはピンときたといい、すぐさま行動に出ます。まずは「イチゴ コンサルタント」とネットで検索。ヒットした専門家の方とコンタクトを取るうちに栽培の可能性が見えてきます。
 「1番ビックリしたのはイチゴは涼しい方が適してるということ。夏場に限ればですが猿払はイチゴ栽培にとても適している場所なんです」イチゴは一般的に美味しいと言われてるのが冬に取れるもので、夏は生産が少なく海外からの輸入が多いということが判明したのです。「冬のイチゴ栽培は燃料が高く採算が取りずらいので暖かい時期に、冬は野菜が高騰するので野菜を作る。1つのビニールハウスで2つ作ろうと。高く売れる時に高く売れる作物を栽培するということを考えた」と準備に取りかかり、今年12月には、初めての収穫を迎えます。イチゴは乳製品と相性が良いことからさるふつ牛乳とのコラボ商品開発への期待も高まってるといいます。




SNSは役場公式と個人アカウントの”二刀流” フォロワーを増やすため自腹でプレゼントも。村の広報がライフワーク


 上記の新規案件などと並行して、猿払村のふるさと納税やECサイトも担当する新家さん。スーパー公務員たる由縁は”個人の取り組み”にもありました。Twitter(https://twitter.com/takuro_shinya)・Instagram(https://www.instagram.com/takuro_shinya/)・FacebookなどのSNSを個人の情報発信だけではなく村のPRに活用しています。もちろん多くの自治体と同様に公式のSNSもありますが、新家さんは個人と役場公式の〝二刀流〟。日々のプライベートな時間も活用します。「ホタテにしてもアイスや牛乳にしても、食べてもらえれば良さがわかる。いかに知ってもらうかが村の課題。そういうこともあって猿払の旬な情報や食と景色など魅力をプロモーションすることが自分のライフワークになっている。」とTwitterは毎日投稿を続け、「今ではフォロワーが6000人と、村の人口を超えたんです(笑)」
 さらに Twitterでは猿払の認知度向上と、フォロワーを増やすために猿払産品のプレゼント企画を自腹で実施しています。「周囲からはなんでそこまでしてやるのとは言われます(笑) でも猿払を知ってもらうきっかけになっているので、できる範囲で続けます。最近では取組みに共感してホタテ加工品や乳製品を提供くださる事業者さんもでてきました。



”父親の努力する姿勢”と”高校野球のレギュラー外れ”から得た財産が今の仕事につながっている


 ”広報魂”と”猿払愛”という言葉がぴったりな新家さんの好きな言葉は”継続は力なり”とまさに有言実行中だが「性格はあまのじゃくですね(笑)みんなの流れにのらない。子供の頃からです」と正しいと思ったことはとことんやる性格だったと話します。また、現在の自分の仕事に向かう姿勢に関しては父親の影響も大きかったと語ります。「父は今年で66歳なのですが、今も野球を続けていてすごいピッチャーなんです。父親が若い頃は仕事が終わると毎日走っていて、その姿を見ていたので。毎日走り続ける父親の影響が大きいです。毎年村内のリーグ戦で戦うとたいてい打ち崩せません。」と笑います。


40歳の地方公務員が野球を続けている理由
https://note.com/takuro_shinya/n/n906dfc8732d1
新家”親子バッテリー”誕生!娘さんもマネージャーとしてベンチ入り

 また野球では高校生の頃の出来事がその後の人生に大きな影響をあたえました。「野球部時代、高校2年の夏に打撃不振でレギュラーから外されました。お前は必要ないよと言われた感じがして、親に辞めることも相談しました。悔しい、でも誰かが悪いわけじゃなく自分に悔しかった。あんな思いは二度としたくない。だからこそ日々を、1日1日を大事にしたいなと思うようになりました」
 結局野球部に残りその後は毎日努力をし続け、バッティングに磨きをかけ3年の春にはレギュラーにカムバック。「自分にはセンスがないと受け入れることができた。だからこそできることって鍛錬しかなかった。それを認めるのは凄いきつかった。でも今思い返すとと自分にとって本当に良い経験だった。それが今の仕事に繋がっています」と語ってくれます。



目標は明確「猿払が未来も活力のある村であり続けること」今後さらに村内外から愛され選択される村としたい! 


 新家さんは現在企画政策課課長補佐として、人口減少問題に真っ向から取り組み、猿払村への移住政策を積極的に進めています。”施設園芸栽培調査研究”の他、2015年からはトレーラーハウスを活用した移住体験施設の運営。移住体験ツアーを企画し5年間で約360人が2泊3日で猿払村を体験しに訪れました。ただ、想定よりも人移住者の数は増えず苦悩の日々を送るなかで「どういう生活をここで送りたいか。やはり移住となるとやりがいのある仕事や安定した収入を得る仕事が必要」と新産業の創造へと着手してくことになります。


 新家さんをそこまで突き動かす根底にはこんな思いがあります。「本当に良いなと思う景色や食を全国に届けたいだけなんです。そこには仕事とプライベートのカベはない。1つ言えるのが、20歳のときより今の方がこの村を好きだということ。ホタテや毛ガニは、正直美味しいなくらいでしか思っていたなかったけど、今は全国のみなさまと交流することで良さやすごさが分かってきたんです。こんなに旨いホタテはない!こんな良い景色はない!と言われて気付いた。だから好きなものを知ってもらいたいという気持ちが年々強くなってきた。もし僕が高校や大学で東京とかにいたらもっと早く気付いていたかもしれない」と話します。


 今後の目標は明確です。「活気ある猿払村を後世に残すこと。そのためにはある程度の子供の数、人口が必要。猿払を知ってもらうのはきっかけ。猿払に生まれ育った人間が猿払に愛着を持つことが大事。そういう人は外に出たら猿払のことを伝えてくれる。そして、魅力的な仕事があったら帰ってこようとも思う。今後ますます村民にも、村外の方にも愛され、選択される猿払村としていきたい。」と力強く話してくれました。
新家さんの情熱が枯れない限り、猿払村には輝かしい未来が待っているでしょう。

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