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  • 【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」⑥栗山町 蝦夷ノ富士醸造 池下さん~「麹って可能性のかたまりなんです」なまら麹愛で人々の暮らしを繋ぐ~
【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」⑥栗山町 蝦夷ノ富士醸造 池下さん~「麹って可能性のかたまりなんです」なまら麹愛で人々の暮らしを繋ぐ~

【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」⑥栗山町 蝦夷ノ富士醸造 池下さん~「麹って可能性のかたまりなんです」なまら麹愛で人々の暮らしを繋ぐ~

えぞ財団 2021年3月18日

組織のなかで、マチのなかで、もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回ご紹介するのは、池下雄介さん。 北海道長沼町の出身、4代続く醸造屋から独立して栗山町で起業、ひとたび麹を語り始めると情熱が止まらない麹職人です。 池下雄介(いけしたゆうすけ):合同会社蝦夷ノ富士醸造代表社員、2016年起業。1985年長沼町出身。妻、長女、長男、チャウチャウ犬の4人と1匹暮らし。趣味釣り。

蝦夷ノ富士醸造公式WEB
http://ezofuji-brewing.co.jp/



婆ちゃんの作った漬物樽がすぐそばにあって。そんな環境で育ちました。
麹のことばかり話ちゃうけどいいですか?止まらない!インタビュー前からあふれ出す「麹愛」!(笑)麴からできる醤油やぽん酢、加工品はみんなとつながるツール。
海外では「トリュフのような香り!」世界に羽ばたく米麹。
世界一の麹屋になって恩返しがしたい。
家族の歴史を麹で繋いでいく池下さんにお話を伺いました。






婆ちゃんの作った漬物樽がすぐそばに、麹が生活の一部だった池下さんにとって衝撃の「麹?何に使うの?」


蝦夷ノ富士醸造がある栗山町は北の錦で有名な小林酒造や谷田製菓株式会社など商売の歴史のある町。また夕張から近いこともあり炭鉱で栄えた時代があったり、北海道の空の玄関口千歳空港がからも20分ほどで、「商売の土場があるのかな」と池下さんは話します。


池下さんは本社がある栗山町の隣の長沼町で生まれ育ちました。実家は長沼町で4代続く醸造会社で麹や醤油などを作っています。小さな時からずっと麹のそばで育ったという池下さんは次男でしたが、子供のころの作文にも「将来は麹を作る」と書いていたくらい、麹づくりは少年時代からの夢でした。毎年11月頃になると家族が飯寿司を仕込んで、正月には親戚みんなが集まって味噌を仕込むという池下家にとって、麹は本当に生活に近いところにある存在でした。麹を通して一家団欒や地域との繋がりが当たり前だった池下さんにとって、社会に出てみるとこんな風習がない家が多いことや、「麹?何に使うの?」という麹の認知度の低さや生活と離れているのだという現実を知ります。

当初は実家で後継ぎになるべく修行していた池下さんですが「ある程度整った会社になっていた実家ではできない、直接自分の手で麹の魅力を伝えたい。」そう感じるようになり、2016年に独立「蝦夷ノ富士醸造」を起業しました。


「麹のことばかり話しちゃうけどいいですか?」止まらない!なまら麹愛。




「醸造所」と言うと酒、醤油、の印象だが蝦夷ノ富士醸造が扱う商品のメインは「米麹」。契約農場から仕入れた米をとぎ、麹室(こうじむろ)と呼ばれるサウナのような部屋に4日間寝かせます。池下さんがつくる麹は数種類の菌をブレンドした特別な「こうじ菌」を使って高い発酵力でしっかりとした旨味や甘味が引き立つ生麹です。麹は生き物、温度、湿度、米そのものの出来栄えでも仕上がりが違ってきます。「うちは120点を目指して熱血指導で育てています。でも厳しすぎると弱ってしまうし、甘やかすと甘えた出来になってしまう。本当難しいのですがそれが楽しいんですよね」池下さんがひとたび麹の話を始めると、麹愛が止まらない。それほどに夢中にさせる何かが麹にはあるようだ。


醤油やぽん酢、加工品はみんなとつながるツール。



蝦夷ノ富士醸造のメインは米麹ですが、北海道産の丸大豆と小麦を使った「米糀熟成 蝦夷ノ富士しょうゆ」、米麹の旨みと柚子、酢橘、橙の三種の柑橘を使った「蝦夷ノ富士ぽん酢」、しょうゆ醸造過程でしぼられるモロミ粕を使った「醸造屋のごはんのオトモ」と食卓に並びやすい商品もあります。いずれも調味料で整えた味ではなく大豆、素材そのものを味わえるこれぞ日本の醤油です。これらはイベントに参加した際など、まずは「蝦夷ノ富士醸造」を知ってらもうツールにもなります。麹を知ってもらうきっかけにもなると言います。

「麹って何に使います?お漬物、あれ?その他は?というくらい地味なんですよ。スーパーでもどのコーナーにあるかわからない人も多いし種類も少ない。じゃあどうしたら麹の魅力が伝わるのかな、と考えました。」池下さんは起業して間もなくから、仕込みの合間をぬって道内各地を回ってイベントに参加したり、道外、海外にも自身の麹を届け自分の手で麹を知ってもらう活動をしています。


海外では「トリュフのような香り!」と称され、一流レストランの麹フルコースも!世界に羽ばたく米麹



麹の活躍の場を広げようと人づてにレストランのシェフや料理人さんと積極的に繋がり話を聞いていく中で、健康に意識の高い人たちがこぞって日本食に興味を示し、その中でも健康に良いとされる発酵食品に注目が集まっていると聞きつけた池下さん。そこで、海外で腕を振るうシェフに蝦夷ノ富士醸造の麹を提供したところ、「まるで黒トリュフのような香りだ!」と大絶賛されます。日本ではサポート的な役割の米麹そのものを「麹リゾット」にしてしまったり、なんとデンマークの一流レストランでは10万円の米麹コースがあったりと、嬉しいニュースが届きます「日本では地味で主役になれない麹が、ひとたび海外に出ると主役になれる!可能性を感じました」その認識の違いは、そもそも日本では「麹は甘いもの」という認識からかもしれません。「麹の甘味はただ甘いだけじゃなく、酸味、苦みなど絶妙なバランスが生み出す旨味なんです。そもそもお料理のさ、し、す、せ、そ。お醤油も味噌も麹がなくちゃはじまらない。江戸時代は今の砂糖の代わりに甘酒を煮詰めたものが砂糖でした。調味料の源は麹なんです。


蝦夷ノ富士醸造の麹になることが誇りになるような会社に!支えてくれる人への恩返しがしたい。目標は世界一の麹屋



一粒、一粒手で確かめながら作った麹は大手スーパーにも並んでいます。
流通割合で見ると、北海道の量販店の麹を使ったお漬物の8割が池下さんの麹です。「そんなに?すごい!と思うでしょ。でも、こんなに流通していてもどこで作られた麹かなんて興味を持つ人は少ないんです。」だからこそ商売が軌道に乗った今も、高級レストランや海外に売り込むことで麹の価値を高める努力を続けています。日本に麹を作っている会社は100軒ほど、つまり世界に100軒しかないんです。頑張れば栗山町から世界一を目指せるかもしれない。ここまで麹のルーツ、存在価値にこだわるのは皆さんの想いに応えたい、麹で北海道を元気にしたいと思っているから。
「一人で麹!麹!って鼻息荒く盛り上がって、この人なんだろう?ってなるじゃないですか。」歴史のある醸造会社が多い中で独立することはチャレンジでした。「お米の契約農場さんが“うちの米は蝦夷ノ富士醸造の麹になってるんだよ”と誇りに思ってもらいたい、独立して誰も振り向てくれなかった時に支えてくれた人に恩返しがしたい。そして世界一の麹屋をめざしてます」と語ります。人との繋がりこそ池下さんの原動力なのです。


家族の歴史を麹で繋いでいく…みんなで幸せになりたい!


麹を選んで買うって、ラーメンで言うと豚骨ラーメンの豚骨を買うようなもの、それくらいこだわってる人が買うものなんです、でも実はすごく身近にあるんですよね。麹屋で育った池下さんですらも、実家の漬物や煮物の味が恋しくなったのは大人になってからだそう。麹を通して出逢った人からも「今思うと、婆ちゃんに漬物習っておけばよかった」「あの味どうしたら出せるのかな」と故郷、自分のルーツを振り返る時そこには先祖から受け継がれた「味」があると感じました。
懐かしい味を食べた時、その時の想い出も蘇ったり、そこで家族の会話が弾んだり。「うちの漬物は蝦夷ノ富士醸造の生麹で漬けてるんだよ」家族の歴史を麹で繋いでいきます。「麹をつくることでみんなの幸せに繋がって行ったらいいなと」北海道から世界を見据える蝦夷ノ富士醸造池下雄介さん。小さな一粒には大きな夢と温かさが詰まっている。


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