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【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」⑩幕別町の農業法人北王農林株式会社・藤原さん~農業だけでなくブランディングやプロモーションで付加価値を高める!~
えぞ財団
2021年9月24日
組織のなかで、マチのなかで、もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回ご紹介するのは、藤原昇さん。藤原さんは北海道幕別町の出身で、約6年間銀行マンとして、クライアントである農家の魅力や課題をヒアリングしてきました。そしてなんと脱サラし、自ら農家に! 銀行マン時代の経験も活かし、”稼げない””働き手不足””かっこよくない”農家のイメージを払しょくするために挑戦を続けています。 藤原昇:幕別町の農業法人北王農林株式会社常務取締役。1986年生まれ、幕別町育ち。北海道銀行を経て2013年北王農林株式会社に入社、2019年に現職となる。趣味は野球、麻雀。
目次
- 学生時代は野球一筋。大学卒業し銀行マンになり”農業融資”などを通じ農家の魅力を知る
- 銀行マンとして農家と接する中で見えてきた”農業の課題と現実”
- 脱サラして農業法人に入社!”農業ど素人”藤原さんの無謀な挑戦が始まる
- ”儲からない””働き手がいない””イメージ悪い”農業を因数分解。3大課題の解決を具体策で試みる
- ”担い手がいない”の解決方法は地元にあった!農業×福祉の連携で生産力がアップ
- 現在取り組むは”かっこよくない”農家のイメージ払拭。ブランディングで付加価値をつけ打開を図る
- 藤原さんが感じる農業のリスクと魅力とは?十勝の農業の現状と見据える未来像
- 可能性を現実に。農業だけでなくブランディングやプロモーションで付加価値を高める!
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学生時代は野球一筋。大学卒業し銀行マンになり”農業融資”などを通じ農家の魅力を知る
日本の食料供給基地ともいわれる広大な畑風景が続く十勝の幕別町に藤原さんが勤務する北王農林株式会社はあります。本社屋には自社製品や地元農産物を販売する店舗も併設されています。社屋のすぐ裏側では、トウモロコシやアスパラを育てる為の畑やビニールハウスが立ち並びます。
藤原さんは幕別町で生まれ、少年野球をきっかけに野球に没頭、高校では甲子園を目指し野球に明け暮れたと言います。立命館大学を卒業後、北海道銀行に入行、24歳で苫小牧支店に配属され、翌年むかわ町や新ひだか町などの地区担当となり、農業融資案件の営業のため農家の新規開拓を実施しました。その際、農家の経営状態はもとより、当たり前にスーパーなどに並んでいると思っていた野菜を生産するやりがい、大変な仕事に日々携わりながら農業を全く知らない藤原さんの提案に耳を傾けてくれる農家の方々の人柄に接し、たくさんの魅力があることを知りました。
「地元幕別町も農家さんが多い土地柄だったが、恥ずかしながら就職して銀行マンになってから農家の大変さややりがいを肌で感じました。単純にずっと身近だったはずの農家ってかっこいいな!と二十歳を超えてから実感しました」と当時を振り返ります。「ありきたりな表現化かもしれないけど自分たちが丹精込めた野菜や穀物が日に日に成長して、それを収穫して、出荷する。その出荷された農作物がスーパーの店頭や飲食店で日本中の人に食べてもらえるのは素敵だな」と感じたと話します。ただ、まだこの当時はまさか自分が数年後”農家”になるとは思っていませんでした。
https://www.instagram.com/p/CTImcyrht8t/?utm_source=ig_embed&ig_rid=f7ad54f4-9384-4f53-a33a-f4802d2b3685&ig_mid=9C6720A3-8BCA-4AAE-9B02-C2142218C559
銀行マンとして農家と接する中で見えてきた”農業の課題と現実”
銀行マンとして農家のやりがいやかっこよさを感じる一方で、農業には多くの課題があることも目の当たりしました。銀行マンと農家としてやはり話題になるのはお金の話。多くの農家が口にするのは「農家は大変だけど儲からない」「金を稼ぎたいなら農家は選ばないな」という現場の声でした。そして稼ぎの件と同じくらいよく聞く悩みは働き手不足やかっこよくみられてないのかなというイメージでした。
「銀行マン時代は色々な農家さんや農業関係者さんと名刺交換やお話をさせてもらったが、皆さん口々に”儲からない””働き手がいない””イメージ良くない”ということを口にされていました。当然銀行マンだったので協力できることに関してはご提案などさせていただいたのですが、自分の地元の農家さんも同じ考えなのかな?抜本的に何か解決する方法はないものか?と考えるようになった」と農業の仕組みに興味を持つようになったと話します。脱サラして、農業をビジネスとして成り立たせることに一役かいたいと思ったのはこの頃でした。
脱サラして農業法人に入社!”農業ど素人”藤原さんの無謀な挑戦が始まる
藤原さんは3年間務めた銀行を脱サラする決意をします。親族が経営する土木建築のコンサルタント会社が農業法人北王農林株式会社として農業分野に本格的に進出するということを聞き、銀行に退職届を出しました。安定した会社員の道を捨て、未経験な農業分野で働くことについて父親から猛反対にあいながらも、決意は揺るがなかったと話します。北王農林に就職してからは苦難の連続でした。「本当に今考えたら無謀な挑戦でしたね(笑)『農業を本気で変えたい!』と思って転職しましたがその自信はどこから来てたんだと思うくらい全くの”農業ど素人”で当初は恥をかきっぱなしでした。農業界では当たり前の畑を耕し、種を植え、育て、手入れし、収穫するというサイクルや時期でさえよくわかっていなかったのでそこから勉強しました」と話します。当時休みもなく朝から晩まで働き続け、家では本や資料を片手に勉強、暇さえあれば先輩地元農家に話を聞き続ける藤原さんは疲れ切っていたと振り返りますが、妻からかけられた「安定した職業から勝負の人生にはなったけどチャレンジしてほしい」という温かい言葉に何度も後押しされたと目を細めます。
”儲からない””働き手がいない””イメージ悪い”農業を因数分解。3大課題の解決を具体策で試みる
寝る間を惜しんでの勉強と、日が昇っているうちは畑にいたというほど農作物を見続けたこと、そして銀行マン時代に培った人の話を聞く力を活かし、先輩農家さんたちに様々なアドバイスをもらい、藤原さんは日に日に”農家”としての知識や経験を積んできました。その中でも”儲からない””働き手がいない””イメージ悪い”の3大課題を明確にし、具体的に解決するためにそれぞれのアプローチを考えました。
最初に手掛けた”儲からない”の課題解決に関しては、農作物を作るだけの原料出荷で終わらせず、農産品の加工や販売まで自社で行う、6次産業化(生産×加工×販売)の早急な実現を目指しました。レトルトトウモロコシやアスパラガスのドレッシングなど、現在もアイディアや加工次第でいくらでも付加価値をつけられることを模索しています。「ただ、生産してJAにおろして終わりみたいなことを打破したかった。JAさんもとても力になってくれるが、農家独自でもパワーをつけないとビジネスとしては成り立たないと思った」と話します。これまで藤原さんは、アスパラガスに限ってもアイス、お茶、麺、サプリメントなど約100商品を試作しましたが、ほとんどの試作品に納得いかず、商品化に至ったのは”アスパラ茶”と”アスパラの恵(ドレッシング)””ソフトクリーム”の3商品でした。3商品はいずれも予想を上回る売り上げだったということです。
”担い手がいない”の解決方法は地元にあった!農業×福祉の連携で生産力がアップ
入社後、農業の6次化を模索しながら挑戦し続けてきた藤原さんは、6次化と同時に、農業研修、農産品直売所研修、レストラン研修などを通じ、生産物、販売、店舗仕入れなどを担当し、経験しました。2019年から現職の取締役企画販売部長になり、営業から新商品開発、農作業などをこなすなかで、次に取り組んだのは”働き手がいない”という課題解決でした。解決方法として選んだのは地元の労働力。2020年からは地元の障がい者施設の協力を得て、”働き手”として障がい者にイモの袋詰めを行ってもらっています。「探り探りで始めましたが、みなさんの作業スピードや丁寧さに驚きました。作業能力の高さを確信したため、さらにレトルト用のトウモロコシの皮むき作業をお願いしたところ、クライアントの要望に応える量を生産できたため、売り上げも伸ばすことができました」と話します。それまではベトナム人実習生の受け入れをしていましたが、今後はさらに農福連携に注力し、”働き手”として地元の人に手伝ってもらいたいということです。農福連携に関しては、北海道では広大な土地で重機による農業方式が多い為、生産面ではなかなか連携が難しい実情を、前述の6次化によって加工作業も行うことから実現できた道内でも数少ない例だということです。
現在取り組むは”かっこよくない”農家のイメージ払拭。ブランディングで付加価値をつけ打開を図る
藤原さんが現在取り組むのは”かっこよくない”農家のイメージ払しょくです。まずは2021年から5年間の中期計画として、アスパラとトウモロコシの生産強化を実施。「中途半端に色々な農産物の生産などをやるよりは、徹底的に絶対にどこにも負けないうまくてまた食べたくなる商品を作りたい」との思いからでした。以前は約50品目の野菜を作っていたが、考えを一新。とにかく世界一旨いアスパラととうもろこしの生産を目指し、パッケージのデザインなどにも注力していく予定です。「自分で農業の初心者であることは自覚しているから農家の先輩や後輩、仲間に恥じることなく聞きまくる毎日を通じて、農協との連携も深めつつ、農協に頼りすぎない、良い意味で農家として凝り固まってないかっこいいブランディングを形成していきたい」と意気込みます。
藤原さんが感じる農業のリスクと魅力とは?十勝の農業の現状と見据える未来像
銀行マンをやめて農家になって8年間。とにかく攻めまくった8年間でしたが悩みは尽きません。当然のことながら、天候次第で味や大きさは毎年違うことや、台風で農産物が一切ダメになってしまうというリスクも常にあります。ただ藤原さんはこのリスクの面にこそ魅力があると話します。「毎年一定以上のクオリティーを維持し続け、さらに味や大きさを向上させていくのは本当に大変です。でも、作り手の力でどうにかなると思うんです。そこが農家の最大の魅力でもあり課題でもあると感じますね。まだまだ素人なんですけど(笑)」
現在、十勝では大規模畑作農業で、無人トラクターを駆使し、IT化も進んでいます。そんな時代に逆行するように藤原さんが現在取り組んでいるのは”地元のおばあちゃんの漬物の味を残す”ことです。「もしかしたら回り道かもしれませんが、目に見えない価値を商品にしてみるのはとても楽しいです」と話します。
ドローンによる散布実験
可能性を現実に。農業だけでなくブランディングやプロモーションで付加価値を高める!
また、職員やスタッフさん、家族とうちわで楽しめたらという思いから山ブドウを作ったところこちらも好評。現在はサツドラとコラボし、限定販売の”ブドウビール”の新作に取り掛かっている最中だ。また「6次化を実現する上で農家は生産者だけでなく”人の心に届くブランディングやプロモーションが必要”ということで商品や会社全体のリブランディングにも今後注力する予定です」と話す藤原さんは、SNSや動画、どんな人がどんなところでどういう思いで農作物を作っているのか色々な人に興味をもって理解してもらうことが、”稼げない””働き手不足””かっこよくない”農家のイメージを”稼げる””働き手連携””かっこいい”にするチャレンジを自らしつつ、農業を取り巻く課題解決につながると信じてチャレンジをし続けたいということです。
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