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【#えぞ財団】特別連載企画「#この人、エーゾ【サウナ編】①」 日本サウナ学会代表理事/医師・加藤容崇 ~"サウナ"と"予防"?「生活の中で自分たちが続けていることにヒントがあると思った」~
えぞ財団
2021年12月3日
組織のなかで、マチのなかで、もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回は「サウナ特別編」です!北海道でも一大ブームが巻き起こっている「サウナ」を医学的見地、経済、地域活性などからけん引する皆様を取材していきます。今回ご紹介するのは、日本サウナ学会代表理事で医師の加藤容崇さん。医師として研究を続けながら、漫画の監修や日本サウナ学会の活動も。複業をしながら"予防"という難題を"逆算思考"で解く方法をこれからも日々研究し続けます。 加藤容崇(かとう やすたか):1983年群馬県富岡市生まれ。慶応義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット 特任助教、帯広市北斗病院腫瘍医学研究所医師。日本サウナ学会代表理事。中高は剣道、大学は弓道、現在はサ道。
目次
- 「なんで医者はなんでも治せないの?」幼稚園で抱いた疑問で医師の道に。
- 群馬県から東京都、そして北海道へ。医師の国家試験合格!
- 珍種な医師人生のスタート。興味関心を即、行動に。
- ボストンからの帰国を決意したのは"オペ室の数"。ハーバード大学での経験
- 「先生いい人そうだからお任せします」患者さんからのひと言が漫画監修をするきっかけに。
- "サウナ"と"予防"?「生活の中で自分たちが続けていることにヒントがあると思った」
- "マインドワンダリング"を鎮める、サウナの効果。
- "勝手にはたらく神経"という意味の自律神経。サウナでリセット!
- 「僕の目標は、患者をゼロにすること。」まずは、医療リテラシーを高める試みから。
日本サウナ学会
「なんで医者はなんでも治せないの?」幼稚園で抱いた疑問で医師の道に。
医師の加藤さんは現在、慶応義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット 特任助教と帯広市北斗病院腫瘍医学研究所医師として東京と帯広に主な拠点を構えています。また、多くの健康増進効果があるサウナですが、多くのメカニズムは未解明であることから、サウナの研究を進め医学的効能を明らかにすることで、人々の健康増進に役立てることを目標とした「日本サウナ学会」を立ち上げ、代表理事を務めます。
そんな多忙を極める医師、加藤さんですが「幼稚園時代は仲の良い友達のお父さんが大工だったことから将来は、大工になる!」と夢見ていたと話します。幼稚園時代、友達の家に遊びに行き、端材で小さい家を作っているお父さんの姿をみて「本物の家も作るのに、小さい家も!すごい、こんなの作れるんだ!」と感動したといいます。そして、このときから大工になることを心に決めていたそうです。当時、お母さんは乳がんを患っており、治療に専念するため家にいなかったことが多かったといいます。そのため、祖父母と生活を共にしていましたが、祖父母もがんで亡くなってしまったそうです。幼稚園年長のとき、加藤さんは、医師である父に「なんで医者はなんでも治せないの?」と質問をします。父の答えは「研究するしかないよ」この会話がきっかけで考えを一新。将来は大工ではなく、医師を目指すことを決めたといいます。
https://note.com/ezozaidan/n/n3a77df106b46
加藤さんも参加する「サウナが地方にもたらす経済効果」はコチラ!
群馬県から東京都、そして北海道へ。医師の国家試験合格!
小学校4年生の時点で身長が174cmもあったという加藤さんは、握力も50kgほどあり、「ガキ大将だった」と当時を振り返ります(笑)そんな中、小学5年生の時、両親がガキ大将の加藤少年を心配して「あんた頭いいんだから東京行ったほうがよくない?」と提案しました。その提案を素直にそれを受け入れた加藤少年は、中学受験に無事合格し、東京での暮らしが始まりました。中学、高校と東京で過ごし、大学受験時期になり進路を考えるようになった加藤さんは当時、北海道大学で世界初のがんの治療実験を行っていることを知り、北海道大学医学部を目指すことを決め、合格とともに北海道へ。「医学部は6年制なのですが、前半の3年間に色々詰め込んだら、後半の3年間は時間に余裕ができた。それで医学部内をうろうろ探索していたら、すごい楽しそうな研究室を発見!ピザやビールがただで飲み食いできる研究室をみつけたんですよね(笑)」この研究室が”病理学研究室”でした。ここで学生をとても大事にしてくれる恩師に出会い、好きな研究をたくさんやることができたといいます。
その後、医師国家試験に合格した加藤さんは「今振り返ると最小限の時間で最大限の効果が得られる勉強法自体をまず研究してから勉強をしていましたね」と話すように、やりたくないことをいかに効率よく終わらせるかという思いだったとのことです。
珍種な医師人生のスタート。興味関心を即、行動に。
2010年に北海道大学医学部医学科を卒業し、大学院へ進んだ加藤さん。一般的には医学部卒業後、初期研修や後期研修を経て大学院(4年間)へ進む医師も多い中、加藤さんは卒業後すぐに大学院へ行きました。当時、研究者を早期から養成し、研究に特化した医師を育てるプログラム”MD-PhDコース"が北海道大学で新設され、加藤さんはその1期生だったそうです。そのため、大学院も3年間で卒業することができたといいます。大学院卒業後は、"がんプロフェッショナル養成コース"の教員に。通常、医学部では6年生の時に病院見学へ行くとのことですが、加藤さんは3年生と4年生の間に様々なタイプの病院見学へ行き、早い段階で"病院で医師として勤務する"という働き方ではなく、"研究を続けて医学生に教える"という働き方を選択したといいます。大学院を卒業して、すぐに教員になるという選択をする医師はめったにいないそうです。
ボストンからの帰国を決意したのは"オペ室の数"。ハーバード大学での経験
2014年、研究をさらに行うため、アメリカのハーバード大学へ留学することを決めた加藤さんは、最も予後が悪いといわれている『すい臓がん』も専門としていることから「すい臓がんを治せるなら、他のがんも治せると思っている。」と真剣に語ってくれました。「在学時は旅行もたまに行ったけれど、研究が楽しすぎて、仙人みたいに職場に泊まり込んで、ひたすら仕事していた」というエピソードも語ってくれました。
アメリカの研究所では、研究室毎の壁がなく、複数の研究室がワンフロアに共存しており、日本とは異なるつくりだそうです。また、当時のハーバード大学内にあったオペ室の数は、なんと89室。
加藤さんは、がんの薬を開発するにあたり、がんを患っている患者さんの検体をなるべく早く観察する必要があったため、検体を採取してから20分以内に手元にあることが理想だったといいます。しかし、オペ室が89室もあり、どれだけダッシュして検体を運んでも、1時間半はかかってしまうことが判明しました。そんな時、学生時代の恩師に連絡したところ「それなら日本に帰ってきて、研究をしなよ」と。これを機に、日本へ帰国を決意したそうです。
「先生いい人そうだからお任せします」患者さんからのひと言が漫画監修をするきっかけに。
日本へ帰国後、現在のメインの勤務先となる慶応義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニットと帯広市の北斗病院での勤務を開始。北斗病院では"病理・遺伝子診断科"に所属しており、日々最新の研究をされているそうです。しかし、「『がんゲノム診断』と言われて、理解できる患者さんがいないのが現状です」と加藤さんはいいます。そのため、実際にがんの患者さんと治療方針についてお話する際は、紙芝居を使ったりと様々な工夫をして時間をかけながら説明を心がけているそうですが、最終的に「先生いい人そうだからお任せします」とひと言。「本当は患者さん本人がちゃんと納得して、治療方法を選択してほしい」と悩んでいたそうです。
ただ、このひと言のおかげで「どうやったらこの状況を解消できるのか」ということを改めて考えるタイミングが訪れ、加藤さんは動いたそうです。「漫画だったら、がんに罹患する世代の方々にも読んでもらえるかも」と。
「でも漫画にするとしても、つてもないし知り合いもいない。よし、ググろう!」その結果、"フラジャイル"という病理医がテーマの漫画に辿り着き、医療監修している先生の職場に直電。
「『がんゲノム』という保険適用にもなってきている領域があるんです。でも、みんなに何が起こっているのかを理解してもらえない。実際にがんになってから慌てるんじゃなくて、その前に漫画にしてみんなに伝えられないでしょうか。」この熱い想いに共感してくれた原作の方は、快くこの申し出を受け入れてくれたそうです。そして、フラジャイルの15巻と16巻は"がんゲノム"をテーマとして、加藤さんの医療監修で出版されることになりました。
"サウナ"と"予防"?「生活の中で自分たちが続けていることにヒントがあると思った」
一般的に「病気になりたくなかったら〇〇をしなさい」と医師は言います。
しかし、これは瞬間的な行動変容のモデルであり、ちょっと時間が経つと忘れてしまい、継続的に行うことは難しいと言われているようです。この部分に着目した加藤さんは「焦った瞬間だけ行動するんじゃなくて、自然と続けていることの中に、きっと予防できる何かがある」と考えたそう。生活の中で感じる"美味しい・楽しい・気持ちいい・近い・面倒じゃない・安い"など、このような条件が揃ったとき、人は自動的に動くということに気づき、ここにヒントを見つけました。
そのひとつ目が"サウナ"。「サウナは気持ちいいから入るっていう人多いですよね」自然なこの感覚が病気の"予防"に繋がることを医学的に証明するため、日本サウナ学会を立ち上げることに。「今後も、人がつい自然にやっていることを因数分解して、『いいもの』と『よくないもの』に分けることで、予防につながると確信している」と明るい未来を語ってくれました。
"マインドワンダリング"を鎮める、サウナの効果。
最近よく耳にすることが多い言葉"マインドフルネス"の対義語である"マインドワンダリング"。
"ワンダリング(Wandering)"は、"さまよう、歩き回る"等の意味を持ち、"マインドワンダリング"は、"心の迷走"といわれているそうです。「人間はボーっとしている時、スイッチが切れているようにみえるけど、実はめっちゃ脳の回路を使ってるから燃費が悪いんです。つまり、脳がごちゃごちゃな状態。」と加藤さんは言います。「逆に時間を忘れて何かに集中してるときは、ひとつのことに集中しているから燃費がすごくいい。」と。
つまり"サウナ"は、"マインドフルネス"にとても向いているそうです。サウナに入ると、脳血流が下がり、そうすると脳は自動的になにも考えられなくなるそう。また、「サウナ室はシンプルで、スマホもないため、自動的に呼吸に集中するしかなくなるという環境だからこそ適している」と説明してくれました。「物事の本質は、いかに自分の脳を休ませるかです」と加藤さんはいいます。
"勝手にはたらく神経"という意味の自律神経。サウナでリセット!
自分でコントロールできないから、治すことも難しい"自律神経"。
一般的にホルモンのバイオリズムの関係で、自律神経の乱れが起こりやすいのは女性だそうです。
冷え性が女性に多いものこれが要因の一つだとか。そこで脳血流を下げられるサウナに入ることで、脳が真っ白になり、一回リセットできるそう。そのため、特に自律神経が乱れがちな女性にとって、サウナは強い味方だといいます。しかし、その一方で、女性は感受性も高いため、サウナに入りすぎると毒になってしまうという研究結果もあるそうです。「辛くない範囲で楽しむこと。自分の体調と相談しながらサウナに入ること。」が大切だと加藤さんは教えてくれました。また、サウナの中で一番敏感に反応するのが"顔"。加藤さんは「サウナの中で女性にとって一番効果のあるのは、顔をタオルで覆うこと。」といいます。顔の熱さを減らすことで、かなりのストレスを緩和することが期待できるそうです。「軽度の抑うつ状態にもサウナは効果があります。うつ病の入口である段階であれば、サウナなどを日常的な習慣に取り入れることで治る可能性が高いです」とも話してくれました。
「僕の目標は、患者をゼロにすること。」まずは、医療リテラシーを高める試みから。
「アメリカでは医療を受ける場合、治療内容をきちんと理解してからが一般的。万が一、理解しないで治療を受けたら破産してしまう。CTとかMRI撮ったら数百万かかってしまうから。」「これは各国の医療保険制度の違いで、これが医療リテラシーの格差にもつながる」と加藤さんは話します。
日本では、国民全員が国民皆保険に加入するため、病院にかかった場合、保険適用になることがほとんどです。
しかし、諸外国ではそうではない国もあるため、その分、"医療に関する知識を自ら学ぶ・理解する"という意識が高いと説明してくれました。「医療は高度化して進むのに、人々が医学的な知識に興味を持つ機会や学ぶ機会が全然ないから、このままだとますます医療リテラシーの格差が広がる」と加藤さんは危惧しています。そのため今後、"医療リテラシーを高めるための試み"を複数計画しているとか!?
そしてもうひとつ、"サウナ"の次に解明するのは、"鍼灸"。
鍼灸は約3000年前からある医療技術にも関わらず、未だに古代語での説明文だったりと色々と突き詰める部分がたくさんあるそうです。「ビックデータを構築して、3000年ぶりに鍼灸をアップデートしてやろうと思ってます!」と。人々が自然と笑顔になる報告が今後もたくさん聞けそうです。
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