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【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ【スポーツ編】①」ひがし北海道クレインズGM・清川和彦 ~クレインズやアイスホッケー、地域スポーツを盛り上げる第一歩はとにかく「アイスホッケーを知ってもらうこと」~
組織のなかで、マチのなかで、もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回は「スポーツ特別編」です!第1回目ご紹介するのは、釧路市を本拠地とするプロアイスホッケーチームのひがし北海道クレインズGM、清川和彦さんです。 ひがし北海道クレインズ:1949年に十條製紙のチームとして釧路市を本拠地に発足した「クレインズ」は、日本製紙クレインズにチーム名変更後数々の国内タイトルを中心に輝かしい成績を納める。しかし2019年、母体となる会社の経営状況などから廃部になる。その後、企業や団体に出資を募るなどし「ひがし北海道クレインズ」の名で廃部を乗り越え始動した。アジアリーグアイスホッケーに所属し、現在シーズン終盤。また2021年12月の第89回全日本アイスホッケー選手権大会で優勝を果たす。 清川 和彦:ひがし北海道クレインズGM(ゼネラルマネージャー)。1981年生まれ、苫小牧市出身。15年間の選手時代を経て、2021年4月より現職。趣味は、ジャンルを問わない映画・音楽鑑賞。
目次
- プロスポーツチームにおける”GM”
- 雪国ならではの"クラブ活動掛け持ちルール"のおかげでアイスホッケー少年へ転身。
- 「やるからにはナンバーワンになりなさい」という父の教え
- 晴れてプロ選手人生のスタートを切るも、予想外の出来事が…
- 本物の叱咤激励をしてくれる方々との出会い。
- アイスホッケーを"する"という立場から"伝える"という立場に。
- 釧路に単身赴任、クレインズGMへ。競技の垣根を超えて、町ぐるみで応援する仕組みをつくりたい!
- "マイナースポーツ"だからこそ、強いインパクトを。GMとして自治体・スポンサーを回り、新たな取り組みも
- 全日本アイスホッケー選手権優勝!今後のクレインズ、そして地域スポーツビジネス
プロスポーツチームにおける”GM”
国内外問わずプロスポーツチームにおいて最も重要で責任が重いとされるポジションの一つがジェネラルマネージャー”GM”です。運営側(フロント)として選手・ファン・メディアに対してまさに最前線に立ち続け、チーム全体の方針や編成、選手の獲得や管理など選手と密にコミュニケーションを取りながら、運営側と監督、ファン、スポンサーとの調整、商談や、監督と選手陣との連携など多くのスキルと経験、そして信頼が求められます。
北海道釧路市を本拠地とするプロアイスホッケーチーム”ひがし北海道クレインズ”GM・清川さんにシーズン終盤の多忙を極める中、お話を伺いました。
雪国ならではの"クラブ活動掛け持ちルール"のおかげでアイスホッケー少年へ転身。
「完全にアイスホッケーの人だと思われていると思うのですが、実は元々サッカー少年でアイスホッケーにはあまり興味なかったんですよ(笑)」と小学生時代を振り返る清川さん。
当時、清川さんの地元苫小牧市の小学校では、部員確保の目的で"クラブ活動掛け持ちルール"があったといいます。それは"夏にサッカーをするなら、冬はアイスホッケーをしないといけない"というルールでした。「アイスホッケーには全く興味がなかったけど、大好きなサッカーやりたいからやるしかなかった」と小学校3年生の当時を振り返ります。そんな中、3年生の時のアイスホッケーの最終試合でゴールキーパーに抜擢され、その試合がきっかけで、小学4年生からは両方の練習に励み、サッカー少年とアイスホッケー少年の二足の草鞋を履くことになりました。
「やるからにはナンバーワンになりなさい」という父の教え
中学生を迎える頃、清川さんは父親からある選択を迫られます。
「サッカーを続けるなら室蘭へ行きなさい。アイスホッケーを続けるなら苫小牧に残りなさい」
これが清川さんにとって"一つ目の大きな選択"となりました。悩んだ結果、苫小牧に残り、アイスホッケーを続けることを選択しますが、決め手は小学5年生の時の出来事だったと振り返ります。
アイスホッケーは"氷上の格闘技"ともいわれており、全身を防具で守らないといけないため、他の競技に比べて用具が多く、すべて揃えるとものすごく高額な費用がかかります。
そのため小学校では、一般的に学校で用具を貸し出して試合に参加するそうですが、小学5年生で全道大会に出場することになった際、両親が防具を揃えてくれることになりました。
「両親が自分のために高額な防具を揃えてくれるまで応援してくれている。これでナンバーワンになれなかったら僕は今後何をやってもうまくいかないな。」小学生ながらに考えたこの出来事がアイスホッケーで高みを目指すという決意の決め手になりました。
晴れてプロ選手人生のスタートを切るも、予想外の出来事が…
中学3年生の時に観戦した高校アイスホッケーの試合で、帯広市(現・河西郡芽室町)の白樺学園高等学校の存在を知り、そこへ進学することを決めた清川さん。そして、高校1年生の時に先輩の代理で出場した全道大会でゴールキーパーをしたことがきっかけで、のちに入社する雪印乳業からオファーを受けることになりました。当時、進路に関しては他の選択肢もあったといいますが「一番最初に僕を認めてくれたチームでやってみたい」という想いで即答したといいます。
高校を卒業後、2000年に雪印乳業株式会社に入社。雪印アイスホッケー部へ入部し、ここで、引退時の監督でもある岩本さんに出会います。
しかし、入社直後、雪印アイスホッケー部が廃部。この時、清川さんにとって"二つ目の大きな選択"が訪れました。「会社に残るか・辞めるか・移籍するか。これからプロ選手として頑張ろうと思っていた矢先、アイスホッケー人生が終わってしまうかもしれない出来事が起こりましたが、ここからの経験がのちの人生に大きな影響を与えることになった」と清川さんはいいます。
本物の叱咤激励をしてくれる方々との出会い。
さまざまな素敵な巡り合わせがあり、移籍をしてプロ選手人生のスタートを切った清川さん。
移籍先は、現・H.C.栃木日光アイスバックス。当時のチームは設立されて数年だったこともあり、資金難でした。「正直生活するのも厳しい状況だった。僕は地元で居酒屋を経営している方にとてもお世話になり、ありがたいことに食べ物に困ったことはなかったが、本当に大変でなんとか知恵を絞って仲間と過ごした3年間だった。でも、おかげ様で今まで感じたことのなかった『人のあたたかさ』を感じることができた」と当時を振り返ります。試合で勝った時は一緒に大喜びしてくれて、負けた時は喝もいれてくれる。"アイスホッケーが大好き"という共通の想いがあるからこそ、こんな素敵な出会いが訪れたといいます。この時の経験が今後目指している"地域のみんなに愛されて応援してもらえるチーム"という原点となったと教えてくれました。
アイスホッケーを"する"という立場から"伝える"という立場に。
H.C.栃木日光アイスバックスから王子製紙(現・レッドイーグルス北海道)、日本製紙クレインズ(現・ひがし北海道クレインズ)で選手として活躍し、14年が経過。「選手として15年間は頑張りたい!」とプロ選手になった当初から目標を掲げていた清川さんは、雪印アイスホッケー部でお世話になった岩本さんに一本の電話をしました。「もう1年選手として、岩本さんの元でアイスホッケーをやりたい!」
その電話がきっかけでH.C.栃木日光アイスバックスへの移籍が決まり、"15年"という区切りをつける覚悟ができたといいます。「選手人生の最初と最後を同じ監督で迎えられることが、本当に嬉しかった」
その後、アイスホッケーの魅力を選手としてではなく、スタッフとして伝えていく事を決意。ここで"三つ目の大きな選択"をしたといいます。
釧路に単身赴任、クレインズGMへ。競技の垣根を超えて、町ぐるみで応援する仕組みをつくりたい!
2021年4月ひがし北海道クレインズGMに就任した清川さん。
"地域のみんなに愛されて応援してもらえるチーム"を作りたいという選手時代の目標を叶えるために釧路市へ移住しました。「ひがし北海道クレインズがもしもなくなってしまったら、日本からアイスホッケーがなくなるんじゃないかという危惧をしています。僕はアイスホッケーに人生を捧げています」
栃木県に家族を残して、釧路市へ飛び込んだ清川さん。すべての原動力は"誰にも負けないアイスホッケーへの愛"だと語ります。そんな清川さんが現在注目しているのが"アメリカのスポーツビジネス"です。
「例えば、土曜に大学でバスケの試合があったら町中の人がバスケのユニフォームを着て応援しに行く。そして日曜に高校でアイスホッケーの試合があったら、今度はアイスホッケーのユニフォームを着て応援しに行く。町をあげて『競技の種類に関係なく応援する仕組み』に僕はとても共感している!」まずは、釧路市全体をこのような町にしたいという強い想いを伝えてくれました。
"マイナースポーツ"だからこそ、強いインパクトを。GMとして自治体・スポンサーを回り、新たな取り組みも
アイスホッケーは、頭脳戦でもあり、駆け引きが想像以上のスピードで繰り広げられているが魅力の一つでもあるそうです。また、「試合みたことある?」と聞かれて「あるよ!」という回答がまだまだ少ない競技です。「未開拓の部分がたくさんあって、マイナースポーツと言われているからこそ、今後多くの人にインパクトを残せる競技になっていくのではないかと思っています。実際に今後チームとしてやりたいことのイメージもありますが、現在はまだその段階ではないため、チャレンジし続ける」と清川さんは話します。
現役時代も廃部を経験した清川さんは、スポーツチーム運営をビジネスとして成功させるため様々な取り組みを行っています。地元を中心とするスポンサーの獲得や交渉、地元釧路市蝦名大也釧路市長の表敬訪問や地域と連携しアイスホッケーを通じた地域活性化に取り組んでいます。この他、会場に足を運べない方にもチームを応援してもらおうと北海道共通ポイントカード「EZOCA」と連携し、クレインズEZOCAを買い物で利用してもらうことでチーム強化費に充てられるプロジェクトなどが始まっています。
全日本アイスホッケー選手権優勝!今後のクレインズ、そして地域スポーツビジネス
そんな多忙な日々を過ごす清川さんですが、とてもうれしいニュースが昨年末飛び込んできました。第89回全日本アイスホッケー選手権大会でひがし北海道クレインズが見事優勝を果たしたのです。一時は2点を追う展開でしたが逆転の末おさめた勝利でした。「本当にうれしかった。選手はもちろんスタッフもファンも地元の皆さんも本当に喜んでいた。僕自身も本当にうれしかったです」と目を細めます。
現在チームはアジアリーグアイスホッケーの終盤戦に差し掛かっています。新型コロナウイルスの影響などでなかなか日程通りには進んでいない部分もありますが「最終戦まで全力で戦うので、応援してほしい」と話します。
また今後のアイスホッケーや地域スポーツビジネスに関しても「子どもたちにずっと憧れ続けられるチームや試合ができたら、アイスホッケーを好きになってくれる人が増えて、それが地域に愛されるチームにつながると考えています」と話してくれました。選手の時は選手として、スタッフになってからはスタッフとして。それぞれの立場にならないとわからないことがたくさんあり、日々新たな発見があることが清川さんの"アイスホッケーへの愛"をより強くしているようです。
「いろんなことにチャレンジしていますが僕がやりたいことはとてもシンプルなのです。応援してくれている家族やチームのメンバーにたくさん恩返しをして、喜んでもらいたいです。そして、とにかく今はたくさんの方に『アイスホッケー』を知ってもらうことが僕の願いです。それがクレインズやアイスホッケー、地域スポーツを盛り上げる第一歩だと思います」
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