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【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」⑫ 幕別町・株式会社折笠農場の折笠さん ~おいしいオーガニックを追求!「地元食材を子どもたちに知ってもらうことが農業や未来を育てる」~

【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」⑫ 幕別町・株式会社折笠農場の折笠さん ~おいしいオーガニックを追求!「地元食材を子どもたちに知ってもらうことが農業や未来を育てる」~

えぞ財団 2022年2月24日

組織のなかで、マチのなかで、もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回ご紹介するのは、折笠健さん。十勝の幕別町で農業法人を営み、「必要としている誰かを笑顔にする」オーガニック商品の製品化にもチャレンジしています。子どもたちへの食育やアスリートフードなど様々な活動の原点は”農業と地域の未来”でした。 折笠 健(おりかさ ますらお):幕別町出身。1968年生まれ。 札幌商工会議所付属専門学校卒業後、株式会社折笠農場に就職し、現在5代目社長。心にとめている言葉は師匠からいただいた「困ったときは自然をみろ」「作りたい作物の原産地の気候をみろ」「バカになれ」の3つ。


※オーガニック商品の注文や詳細はコチラ(ラインで追加)→@rbb2003n


「こんな仕事だったらできるかも。」農家を継ぐことを自らの意志で決意した出来事。


”日本の食料基地”とも言われ2021年の食料自給率がカロリーベースで1339%を誇る十勝平野。見渡す限り畑や森が広がる十勝平野にある幕別町に折笠農場はあり、作付面積は95Haの農場ではジャガイモや豆、小麦を生産しています。折笠さんは1909年(明治42年)から110年年以上続く折笠農場株式会社の5代目社長です。
「子供ながらに長男だから農家をなんとなく継ぐのかな~と思っていた」小さい頃から”継ぐ”ということを自然と認識していたようですが、実際に継いだ後、”どんな風に・どんな仕事をするのか“という具体的な想像はできていなかったといいます。
幕別町で生まれ育った折笠さんは高校を卒業し、札幌の専門学校経て、父の会社に就職。まずは、”農作物を育てる仕事”ではなく、”営業や物流など直接お客様と接する仕事”をすることになり、大阪営業所勤務になったそうです。その後8年間大阪営業所で勤務をしたそうですが、その中である出来事があったといいます。「当時メインの取引先である生活協同組合の組合員さんとの交流があって、じゃがいもの品種を提案することになったんです。『ホッカイコガネ』という、形がメークインに似ている品種で、それを提案したら『なんでこんな美味しいじゃがいもを早く持ってこないんだ!』って怒られたんですよ(笑)それで、その時思ったんですよね。農作物を育てるだけじゃなくて、実際に消費者に農作物の提案をして、選択肢を与えられることもトータルでできるなら、自分もできるかもって」これを機に、5代目として折笠農場を継ぐことを決意したと語ってくれました。



”奇跡のリンゴ”の木村さんがきっかけ。マニュアルのない”自然栽培”に挑む。


28歳の時、大阪から幕別町へ戻り、農作物を育てる仕事を本格的にスタートした折笠さん。「父の代は馬からトラクターに変わって、最新技術を取り入れたり、販路開拓を始めたりしながら、農家の生活を安定させるための努力をしてきました。その努力の結果、実際に経済面が安定してきた分、自分が5代目として農家を継いだあたりからチャレンジが少なくなったんですよね」と当時を振り返ります。昔の農家は冬に出稼ぎをして働かないと家族を養えなかったそうですが、ちょうど30年前くらい前から国の仕組みが変わり、勉強会などに参加することで、農家の経済面を安定させることができるようになったといいます。経済面以外の部分でチャレンジをすることが課題となった折笠さんは「自分たちが育てている農作物は消費者をイメージしにくい作物ということも大きな要因だけど、農業ってこんな感じじゃだめなんです。あらゆることに対して、もっと気づかないといけない。」と話します。そして今から約15年前、当時不可能と言われていた無農薬でリンゴを栽培することに成功した木村秋則さんが折笠農場に来場したことがきっかけとなり、化学物質過敏症などで困っているお客様をイメージして、農作物を育てることを決めたといいます。これが自然栽培のスタートとなりました。



誰もが聞いたことのある”オーガニック”。この言葉の意味は?


「オーガニックとは”環境に配慮した生産方法で作られた農作物”(=有機農作物)という意味です」と折笠さんは教えてくれました。現在、様々な場所で見聞きする言葉ですが、異なる認識を持っている消費者の方も多いとか。「ちなみに『オーガニック』って、どんなイメージなんでしょ?多分、体に良いっていうイメージを持っている人が多いけど、日本は医療制度が整備されていたり、美味しい食べ物が多かったりするから、実際は、日本人は健康に対する意識があまり高くないんだよね。なので正直なところ、消費者は『体に良いもの』に全然見向きもしない


総工費1億6千万円のオーガニック専用加工場建設!とことん挑戦で「誰かが笑顔になる」


普段から体に良いものを食べるということを意識している人が日本にどれくらいいるかや実際に体に良いものを口にして健康を実感できている人がどれくらいいるかは、今後調査する必要があるとした上で、まずはオーガニックを必要とする人たちをイメージして、その人たちの食卓に何が必要なのかを自分たちで考えることが重要だと話してくれました。「つまり『オーガニックのものを購入して食べることで健康になる』ではなくて、『オーガニックのものを購入して食べることが環境に対して応援していることになり、その後、あるタイミングで体調が良いことに気づく』ということなんです」
折笠農場では2020年総工費1億6000万円かけて、オーガニック専用加工工場を建設、現在トマトジュースやオーガニックマスタード、オーガニックマヨネーズを生産しています。マヨネーズは選抜された美味しい有機大豆と有機十勝マッシュを使って作り、卵は使いません。これによりコレステロールゼロが実現したうえ、材料になる酢も自社栽培した有機じゃがいもで作る徹底ぶり。動物性の物は一切使用せず、美味しさを表現する為にかなりの時間試行錯誤を繰り返した逸品です。「なかなかすぐに結果を出すのは簡単なことではないし、もちろんコストもかかる。でも自分たちがオーガニック食材の研究にとことん挑戦することで”誰かが笑顔になる”そう信じて楽しみながらやっています」と笑顔で話してくれました。


※オーガニック商品の注文や詳細はコチラ(ラインで追加)→@rbb2003n


”奇跡のトマトジュース”10年かけて作った味に子どもたちは「これ、トマトじゃない!(笑)」


農業、オーガニックさまざまなことに挑戦し続け、試行錯誤を繰り返す折笠さん。「そりゃ全部うまくいくわけではないけど、悩んだときのリフレッシュ方法は”ただ自分だけが楽しんじゃなくて、他の誰かも楽しいと感じることができることを想像する”。そうすると気分的にすごく上がるんだよね」と笑顔で話してくれました。また、この考え方は今後発売予定の”オーガニックのトマトジュース”を開発する際にも活躍したとか。このトマトジュースは、10年かけてミニトマトを60種類から1種類に絞り、その後約800kgのミニトマトを使って試作品を作ったといいます。なかなか苦手な子が多い”トマトやミニトマト”栄養価は高く、きっと保護者の方たちは子どもたちに好きになってほしいんだろうなと考えました。ミニトマトが苦手な子どもに好きになってもらえるトマトジュースはかなりハードルが高かった(笑) 実際にそういったお母さんたちや子どもたちに農場に来てもらい、意見をもらい、ジュース化して飲みやすいミニトマトのアンケートを取ったのです。『子どもに喜んでもらいたいという想いが強いお母さん』『素直な感想を言う子ども』です。お母さんは美味しいものを食べた瞬間『これ、子どもにも食べさせたい』という感情が沸き、子どもは美味しかったらおかわりをする」そして、このトマトジュースを飲んだ子どもたちの名言は「これ、トマトじゃない!(笑)」だそう。まさに、”奇跡のトマトジュース”の完成でした。


「地元食材を子どもたちに知ってもらうことが農業や未来を育てる」アスリート&食育にも注力


「例えば、私たちが作っている『きなこ』。高たんぱくで食物繊維も多く含まれるため”健康食”のみならず”アスリート食”としてもとても注目を集めています。実際にプロテインの代わりに折笠農場のきな粉をタンパク質補給として取り入れているアスリートもいます。そしてきな粉も1種類じゃなくて、3種類あるんです。大豆の種類がすべて違うので風味やもそれぞれ個性があります。まずは試食をしてもらって、美味しいと感じるものを自分で選択してもらうんです」”美味しさにはきちんと理由がある”と考える折笠さんは、消費者に選択肢があることがとても大切だと話してくれました。自然栽培において、何を持って安心安全かという根拠を示すためには、1アイテムだと難しいといい、自分にはどのアイテムが合っているかを体感してもらうことで、食べ物に対しての興味が高まるといいます。そしてかねてから折笠さんが取り組んでいるのは、地元や子供たちに”十勝の素晴らしい食材を食べてもらうこと”です。「十勝の子どもは農業がものすごく近くにある。その反面、当たり前にある地元の食物がいかに素晴らしくておいしいかを小さいころから知ってほしい。これが十勝の農業や未来を育てると考える」と話します。これまで数多くのイベントなどで地元の子どもたちと食を通じて触れ合っています。




「あれ、なんだか今日体調がいいな。」と感じる子どもたちを想像する。


食育や自身の生い立ちも含めて現在、特にイメージができている消費者は、地元の子どもたちだと折笠さんは話します。そしてその中でも注目したのは学校給食です。1ヶ月のうち1日だけ給食を『オーガニック』に変えるという企画を考えています。今後、地域でどんなことを考えて、可能性が無限の子どもたちにどんな選択肢を与えてあげるかを特に意識し始めている」と折笠さんはいいます。「最終的には、オーガニックの給食を食べた次の日、友達同士で『なんか今日調子よくない?』という会話が生まれることをイメージしている。そして子どもたちに気づいてほしい。『もしかして昨日オーガニックの給食食べたからかな?』って!そうなったら僕らとしてもとてもうれしい」
体調は人それぞれで日によって変化しますが、前日に食べた物が翌日の体調を左右することも多いといわれています。しかし、子どもに比べて人生の経験値が高い大人は、それが食べ物の影響ということに気づかないことが多いため、その分経験値が低い子どもが食べ物の影響だということに気づく可能性が高いとか。そして、「オーガニックの給食を食べた子どもたちの中に農家の家庭の子どもがいたら、農家の人たちも親として『そういうものを子どもたちに食べさせたい』という想いが生まれ、自然栽培をやってみようという原動力になるかもしれない」とも話してくれました。



2050年には”環境に配慮された農作物”がスタンダードになる!?


今のうちから知っておきたい農林水産省の政策の一つに”みどりの食料システム戦略”というものがあるそうです。具体的には、2050年までに日本の農地の4分の1をオーガニックに変えるという戦略だといいます。また「日本の人口が減っていく可能性が高いから、海外に輸出をしなきゃいけない時代がもう目の前に来ている。もっとオーガニックを意識した生産方法にチャレンジしていかないといけない。それに今後、海外へ輸出するときの必須条件に『環境に配慮された農作物=オーガニック』という項目が入る可能性も否定できない。」と語ってくれました。
未来の消費者のことをイメージして試行錯誤を続ける折笠さんの挑戦は、まだまだ続きます!



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