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  • 【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」② 豊富町役場建設課・能登屋さん~新たな課題を見つけ仕掛ける。信念は「すべては豊富町のブランディングのため」~
【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」② 豊富町役場建設課・能登屋さん~新たな課題を見つけ仕掛ける。信念は「すべては豊富町のブランディングのため」~

【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」② 豊富町役場建設課・能登屋さん~新たな課題を見つけ仕掛ける。信念は「すべては豊富町のブランディングのため」~

えぞ財団 2020年10月9日

「この人、エーゾ!」企画第2回! 組織のなかで、マチのなかで、もがきがらも新たなチャレンジをしているひとを紹介します。


■能登屋 将宏:豊富町建設課課長。1996年豊富町役場入庁。1975年豊富町出身。趣味は写真撮影、豊富牛乳を飲む事。

↓豊富町HP
https://www.town.toyotomi.hokkaido.jp/


豊富町で生まれ育つ、「色々な部署経験しながらやってみたい仕事を見つけよう」と役場に就職 


 豊富町は稚内市から約1時間ほど車で南下した日本海側に位置し、酪農や観光が盛んで、人口は約3800人、乳牛は1万4000頭を超える町です。利尻礼文サロベツ国立公園の一部である雄大なサロベツ原野が広がる自然あふれる豊富町で能登屋さんは、生まれ育ち、稚内市の高校を経て、地元豊富町役場に入庁しました。「地元に残りたいという思いが強かったが、当時はっきりやりたいことは見えていなかった。役場は安定しているし、色々な部署があるから経験を積みながら自分のやってみたい部署や仕事を見つけて働ければいいな」と思い役場職員になったと言います。 


 役場に入ってからは、農林水産課、財政課、北海道庁派遣、国保病院管理係などを経て、ついに”自分のやってみたい部署や仕事”を見つけることができました。総務課地域振興係が、それでしたが気づいたのはつい最近だったと言います(笑)





豊富町でもふるさと納税を!でも”そもそもふるさと納税とは?”仕組みもやり方もすべて勉強することから始まり本当に大変


 2008年から全国で始まったふるさと納税制度。当時、総務課地域振興室長で、豊富町としても取り組んだ方がいいと思っておりました。ふるさと納税制度は当然ニュースなどで知っていました、当時は現在のようにほとんどの自治体がやるという雰囲気ではなく、トライアルのように”やってみよう”という市区町村は出てきている感じでした。「地元を知ってもらって、寄付をいただいて、返礼品を差し上げるというシンプルに魅力がある制度。役場の仕事は基本、収入にならない仕事が多いが、マネタイズできるというのは今までない画期的な制度だなと思いました」と当時を振り返ります。


 そこからが大変でした。2~3年目の職員2人と能登屋さんでふるさと納税制度の仕組みを勉強し、返礼品の選定、予算を組み、夜遅くまで作業することもありました。
「田舎の豊富町でもどんどんふるさと納税をやって魅力があれば、寄付金も増えるし、返礼品により経済効果もあり、いい方向に転がっていくのでないかなと思った。作業に没頭する毎日で大変だったけれど、係に異動後3カ月でスタート出来て安心した」と話します。返礼品には地元豊富産牛乳の加工品、ジンギスカン、豊富温泉濃縮水など充実したラインナップになりました。



温泉を運ぶ!?前代未聞の挑戦が始まる、全国から集まった寄付金を温泉PR有効活用したい


 順調にマネタイズできてきた中、次の課題は全国から寄付をもらったお金をどのように有効活用するか?豊富町をどうPRするか?でした。そこで能登屋さんが着目したのが”豊富温泉”。豊富町には”奇跡の温泉”と言われ、世界で2か所(アゼルバイジャンと日本・豊富)、日本唯一とも言われる油分を含んでいることからアトピーや皮膚病に効能が高いとされ全国から湯治客が訪れる最北の温泉郷があります。酪農や漁業も豊富町の魅力ですが、この温泉という豊富町に来てもらわなければ体感できない温泉をどうPRするか?というのはかねてからの課題でもありました。ふるさと納税の寄付金活用のため、「全国の人からいただいている寄付金を全国の困っている人のために!そして一番人口が集中している東京で豊富温泉に入ってもらいPRしたい。アトピーなどで悩んでいても豊富町までは来られない人たちに温泉を提供したい」との思いで始まりました。
どこでPRするか?道外進出は夢で終わるのか?そもそも温泉をどのように運ぶ?など様々な模索と議論を重ねる中とんでもない方向に話は進んでいきます。


東京都港区に豊富温泉が出没!港区とタッグを組む、温泉は濃縮温泉水を希釈で対応


 ふるさと納税で全国からの寄付の有効活用方法、同時に豊富町のPRを模索する中で着目したのが、東京都港区と豊富町で結ばれていた間伐材を始めとした国産材の活用促進に関する協定です。港区は急速に進む開発などによって銭湯の数が減少し、廃業する銭湯が増えるという課題もありました。すぐさま、港区や港区銭湯組合と連絡を取り合い協議を始めました。いざプロジェクトが始まって一番の課題である”豊富温泉を東京に運ぶ”ことでした。大型免許を持っているのでトラックを運転して運ぼうか?などいろいろ試行錯誤の結果、濃縮温泉水を東京都港区の銭湯に送り希釈することで実現しました。
結果は大成功でした。多くの人々が豊富温泉を目当てに銭湯に集まり、メディア取材を受け、アトピー団体とのつながりもでき”奇跡の温泉”のみならず”豊富町の魅力”の価値をPRすることができました。


 現在は、ふるさと納税の寄付額に応じ、皮膚疾患になやむ湯治客たちなどの利用促進を目的として、豊富温泉郷の宿泊場所と連携し、助成も始まっています。


現在は建設課長、新たな課題を見つけすでに仕掛ける。信念は「すべては豊富町のブランディングのため」


 これまでは総務課地域振興室の仕事として豊富町をPRしてきましたが、現在は建設課長になった能登屋さん。ふるさと納税の関連PRの効果もあり移住・定住者も増えてきたことにより、空き住宅がないのが課題でした。「僕が建設課にいる意味は町に来てくれた人たちに住宅を供給するということできたんだろうな思うのよ」と話す能登屋さんは町外からくる職員も多いことから、職員住宅を整備を進めているほか、空き家をリノベーションし移住・定住者に住宅として提供できるように日々仕掛け続けている。
自他ともに認める”牛乳好き”も仕事に活かされています。豊富牛乳がおいしい牛乳であり続けてもらうため、良質な地下水である水道水の安定供給にも取り組んでいる。一日に100リットル前後の水を飲む牛たちにおいしいお水を提供するためにとの思いでPRとは遠いポジション”からも仕事に取り組んでいます。「すべては豊富町のブランディングのため」これが能登屋さんの信念です。


趣味が仕事に、仕事が趣味に。楽しみながら役場勤めをする日々


 そのほかにもこちらも趣味の”写真撮影”が高じ、今では、豊富町観光協会や下水道マンホールカードのPR写真に使われたり、苦労して撮影したネオワイズ彗星の写真も豊富町FBの壁紙になっていたりする。実はこの趣味写真撮影もそもそも、ふるさと納税担当時代にパンフレットの写真撮影にプロのカメラマンや業者を依頼するとお金がかかるのでと始めたのがきっかけでした。「ただ予算がなかったから写真撮影始めただけだったので、まさかこんなに没頭するとは思いませんでした(笑)楽しみながら役場勤めできています」





豊富町の今後の課題と希望、能登屋さんが取り組む現在の課題とは?


 今北海道や豊富町のみならず、全国的に課題なのは人口減少です。ただ豊富町や能登屋さんはいきなり移住してもらうことはやはりハードルが高いと考え、交流人口や関係人口を増やすことを目標に現在様々なアプローチを仕掛けています。まずは豊富町の存在を知ってもらって、来てもらって、頻度上げてもらって。いざ移住してもらうときには住みたくなるような住宅がある。豊富町のファンを増やすと町も活気づきますし相乗効果です。


 例えばサロベツ原野に写真撮影に来る写真好きの方やカメラマンは、何日間も滞在してくれるため、温泉郷の人たちからも協力をもらい、滞在中の受け入れる体制を作るなど、民間や地元の人たちとタッグを組み”豊富町のPRやおもてなし”を行っています。「官民とよく言われますが、町のためには官も民もあまり関係ないと思うんです。みんなが豊富町の事を考えて、試行錯誤して、タッグを組んで、新しい豊富ファンを作る。もしよければ移住してもらって、その時には建設課でも住みよい住宅環境を整備してある。一人では何もできませんが仲間がいるので本当にやりがいがある」と話します。「僕は都会ももちろん好きなんですけど、いつもいるとこじゃないかなって(笑)やっぱり大自然の中伸び伸びと過ごせる場所に生まれ育ってよかった。今後も、その部署部署で豊富町のためにやれることを自分なりにできることを一生懸命やります」と語ってくれました。

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