えぞ財団

この記事は会員限定コンテンツです。
ご覧いただくには会員登録が必要です。

会員登録済みの方はこちら

  • TOP
  • 【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」11 ~道央経済入門・石狩編~
【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」11 ~道央経済入門・石狩編~

【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」11 ~道央経済入門・石狩編~

えぞ財団 2022年6月16日

北海道経済入門とは?


この連載では、小樽商科大学4年生(休学中)の神門崇晶(カンドタカアキ)が北海道経済についての「今さら聞けない」 という部分を探っていきます。例えば、北海道の経済の大きさはどれくらいなのか?それを構成する北海道の主要産業は何か?など北海道経済の基本的な部分を理解していくことをインフォグラフィックを通して試みるプロジェクトです。

神門崇晶(かんどたかあき):小樽商科大学4年生(休学中)。
札幌北高校を卒業し1年間の浪人生活を経て、小樽商科大学に2019年に入学。同年11月に「カレーパンドラ小樽商大店」をオーナーと共にオープン。コロナ禍により同店を休業し、2020年にYoutubeチャンネル「おたる再興戦略室」を開設。これをきっかけに、2021年4月から「札幌解体新書」の学級委員長を務める。

導入


第8回「道央経済入門〜後志編〜」から、③「北海道産業地図」と④「北海道の経済状況」をベースに、道央地域の経済について振興局別に詳しく見ています。前回は、⑩「道央経済入門〜日高編〜」として繁殖牝馬(競走馬)の飼養牧場数が、全国シェア85%を誇る、馬産地である日高のそこまでに至った歴史と現在の経済状況を見ていきました。
日高地域は、馬産が主産業でこれが同地域における大きな特徴ですが、「気象」と「自然」も大きな特徴です。まず、「気象」についてですが、8月平均気温は21.0℃前後と比較的冷涼(札幌は23.0℃前後)で、冬はほとんど雪が積もりません。
また、「自然」については、北海道にある5つの日本ジオパーク(三笠、白滝、洞爺湖有珠山、アポイ岳、十勝鹿追)のうち2つがユネスコの世界ジオパークに認定されており、その1つが様似町に位置するアポイ岳であり、このアポイ岳は世界的にもまれな地質的価値を有しているのです。
これらの「得意分野」を最大限活かした産業、特にアフターコロナを見据えた「観光産業」により力を入れていくべきなように感じました。


【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」⑩ ~道央経済入門・日高編~

さて、今回は、道央経済・北海道経済の中心地である、石狩振興局を見ていきます。

◯本日のインフォグラフィック


◯石狩ってどんな地域?


そもそも、「石狩」とはどういった地域なのでしょうか?
それでは、石狩地域の「今さら聞けない」基本的な部分をまずは見ていきましょう。

市町村数


まずは、市町村数です。
石狩振興局には8市町村(6市1町1村)が属し、自治体数的には道央(70市町村)の中では日高(7町)に次いで少ないです。そして、以下のように分類されます。

石狩北部:石狩市、当別町、新篠津村
石狩中部:札幌市、江別市
石狩南部:北広島市、恵庭市、千歳市


面積


面積は、第128回(令和3年)北海道統計書から引用します。


面積(平成27〜令和元年)は、3,540㎢と、道央地域全体(22,145㎢)の約16.0%、北海道全体(83,424㎢)の約4.2%を占めます。道央地域内では、5振興局の中で最も小さな地域です。

人口




人口(令和3年住民基本台帳)は、約238万4000人で道央地域全体(約331万人)の約71.9%、北海道全体(約522万人)の約45.6%を占めます。因みに、人口密度(2021年)は日本が341人/㎢、北海道が68.6人/㎢なのに対し、石狩管内は676.7人/㎢と、道内2位の胆振(102.2人/㎢)よりも格段に多く、如何に北海道全体の人口がこの石狩に集中しているかがわかります。

国勢調査 人口集中地区境界図(平成27年、令和2年)は、人口集中度合いが視覚的に大変わかりやすいです。各都道府県の人口密度も見られるので是非ご覧ください。


人口増減グラフからは、総人口は2020年以降は減少局面に入っています。また、特徴的な点として、1980年から2020年まで総人口は一貫して増加傾向ですが、生産年齢人口は2005年以降減少局面に入っていることです。
人口ボーナスは、所得を生み出す生産年齢人口(15〜64歳)が増加し、所得を生み出さない従属人口(15歳未満、65歳以上)が減少する際に発生するのですが、石狩管内では2020年まで人口増加していたものの、人口ボーナスの恩恵は2005年まででだったということがわかります。





次に、人口ピラミッドから、日本の人口の多くを占める団塊世代と団塊ジュニア世代について軽く見ていきましょう。
この2世代が人口の多くを占めているのですが、各地域によって、このボリュームゾーンの「コブ」がなくなるタイミングはズレてきます。日本全国で見ると、団塊世代のコブが男女ともになくなるのが2045年、団塊ジュニア世代は2065年になっています。

では、石狩管内はどうなのでしょうか?
2035年時点ではまだ団塊世代のコブは残っていますが、2045年になると男性のコブは消えていますが、90歳以上女性のコブが極めて目立っています。これは、人口推移でも確認しましたが、生産年齢人口の増加ではなく、老年人口の増加(特に女性)による影響が大きいのはないでしょうか。 

高齢化率


次に、高齢化率についてです。
「令和3年度住民基本台帳 振興局市区町村別年齢5歳階級別人口【地域行政局市町村課調べ】」のデータを基に見ていきます。

高齢化率
は、
高齢者人口÷(総人口—年齢不詳人口)×100=高齢化率(%)
で計算することができます。
内閣府の令和3年版高齢社会白書によると日本全体では、老年人口が3,619万人で高齢化率は28.8%(男性:25.7%、女性:31.7%)です。


北海道全体では、老年人口が約167万人で高齢化率は31.9%(男性:28.3%、女性:35.2%)です。
石狩の高齢化率は28.0%(男性:25.0%、女性:30.6%)で、道央・北海道で最も高齢化率が低い地域になっています。

◯石狩の歴史


では、石狩の産業の歴史をみていきましょう。
明治5(1872)年、開拓使本庁舎が札幌にできた当時は、北海道にはそもそも産業という産業がほとんどありませんでした。 函館や後志(岩内、寿都、積丹など)では漁業が盛んでしたが、当時の気候から捨て農業などもできず、近代産業も当たり前のようにありませんでした。

そこで開拓使は、お雇い外国人を多数採用し、官営事業としてさまざまな事業を札幌を中心に進めていきます。代表的な例として、日本のビール産業の礎を築いた麦酒醸造所(後のサッポロビール)や醤油醸造所、缶詰工場などです。
これら官営事業は、明治15(1882)年の開拓使廃止に伴って民間譲渡されていきました。また、石炭産業は空知の産業ですが、石狩は積出港の小樽・室蘭港へ運び出すための交通の要所として、必要不可欠な存在でした。
また、戦前までの北海道経済の中心地は小樽と函館でしたが、戦時中の統制経済により、金融機関が行政機関の集積地である札幌に集約されていき、戦後から札幌が北海道全体の政治行政経済の中心地となりました。
詳しくは札幌解体新書3時限目「経済・産業」をご覧ください!この授業は、とてつもない準備時間を要し、明治から現代までの経済・産業史を楽しめます。黒田清隆とサッポロバレーが同じ流れで話されたのは、おそらく日本初ではないでしょうか。。。笑


◯石狩の経済・産業


では、石狩の経済・産業を見ていきましょう。
ここからは、北海道庁が出している、平成30年度(2018年度)道民経済計算年報を中心に見ていきます。


経済について、域内名目総生産(2018年度)は8兆8750億円であり、北海道全体の約45.2%を占めています。 このうち、同年度における札幌市内名目総生産は7兆531億円であり、札幌市が北海道全体の名目総生産の35.5%、石狩管内の85.2%のシェアをもっています。 

石狩振興局の産業構造は、以下の通りです。


第一次産業(0.3%)、第二次産業と、北海道農業が生まれた土地であるにも関わらず、産業としてはとても小さなものとなっています。石狩管内の主要産業は第三次産業(84.0%)であることが如実に出ています。

第三次産業について詳しく見ていきます。





付加価値額・企業数・従業者数で、卸売・小売業が全てトップとなっています。特に、全国比で見た時の従業者は極めて多く、雇用の受け皿として大いに機能していることがわかります。以下、内訳です。







北海道は第一次産業の構成比が全国の中でも高いので、それに応じて第2次産業の製造業では食料加工品業が企業数・従業者数で構成比が高いことを、これまでに確認してきました。この原因と結果の因果関係は、卸売・小売業でも見られることが、上のグラフよりわかります。
もちろん、札幌都市圏があるので飲食料品卸売・小売業の割合が高くなることが考えられますが、付加価値額・企業数・従業者数、ともに飲食料品卸売・小売業の構成比(特に付加価値額)が全国と比べても高いことが大きな特徴です。 

次は、札幌都市圏について見ていきます。

◯札幌都市圏について


石狩には、人口約200万人を持つ札幌市があります。経済は特定の市町村内だけにおいて成立するのではなく、隣接する市町村をはじめとして、周りの地域との関係性も大きく経済・産業の動きに影響します。そこで今回言及するのが、「都市圏」についてです。2015年時点で、全体人口の約52%が三大都市圏(東京・名古屋・大阪)に集中しています。

では、そもそも都市圏とは何なのでしょうか。

ある中心地の経済、政治、文化、医療など都市的機能が影響する範囲。たとえば商業機能という単一機能による場合、それを商圏と呼ぶが、それに対して都市圏とは各種の機能を総合的にみる場合である。都市勢力圏、都市影響圏、都市関係圏などとも同意義である。なお都市と周辺の地域との関係に主眼をおく都鄙共同圏や補完地域なども、都市圏に含めて考えてもよい。大都市の場合、その機能の影響する範囲は、指標のとり方によって、非常に大きいものと考えられるが、一般的には、日常的活動の範囲で、中心地から 10〜50kmの範囲である。

とあります。要するに、特定エリアにおける経済・政治・文化・医療などの都市的機能を持つ中心地が及ぼす影響範囲のことです。石狩においてはこの中心地は札幌市ということになります。また、この都市圏には、「都市雇用圏」という雇用の面で見たカテゴリもあります。

今回は、Urban Labが提供する「全国都市雇用圏Map」から全体像をみていきます。


市町村


まず、札幌市周辺の市町村は、「札幌・小樽都市雇用圏」という都市雇用圏に分類されます。内訳を見ると石狩振興局だけに限らず、後志総合振興局の小樽市・余市町・仁木町・古平町も入っています。これまでは、振興局単位で経済・産業を見てきましたが、このように実経済を見ていくと、振興局を跨いだ経済関係があるということがわかります。 

市町村は以下の通りです。

中心市町村:札幌市、小樽市
郊外市町村:北広島市、江別市、南幌市、当別町、石狩市、余市町、仁木町、古平町

個人的には、近年札幌市のベッドタウンとして北海道では稀な人口増になっている(とは言っても社会像ですが)恵庭市や千歳市も含まれると思うのですが、今回は含めずに進めます。

都市圏人口


都市圏人口:2,362,914人、DID人口:1,899,081人

まずは、この都市圏を知るために人口からみていきます。都市圏人口は222都市圏の中で7位で、特にDID(Densely Inhabited District:人口集中地区)人口は4位です。

2015年における北海道の人口は約538万人であり、約44%の人口がこの都市圏に集中しています。この都市圏の年齢別人口をRESASで見ると、老年人口(65歳以上)が612,987人 (25.94%)、生産年齢人口(15歳~64歳)が1,471,622人 (62.28%)、年少人口(0歳~14歳)が265,221人 (11.22%)になっています。
人口密度は695人/㎢で、石狩管内の676.7人/㎢と同程度となっています。


経済・産業


この都市雇用圏における域内名目総生産(2015年)は、8兆2500億円で、人口1人当たりは349万円です。 石狩管内の総生産とほぼ同程度となっています。年度が異なりますが、参考値として2018年度札幌市内名目総生産は7兆531億円なので、この都市圏経済における札幌市のシェアは85%です。
就業者数を見ると、石狩管内よりも卸売小売業の構成比が高くなっています。ただ、産業別総生産額で、宿泊・飲食サービス業の構成比は2.7%にも関わらず、就業者数構成比では12.2%と高くなっていることから、低賃金労働者の多さが推察されます。


通勤率


通勤率を見ると、特定の地域が「雇用」において、中心都市の経済圏に組み込まれているか否かということがよくわかります。 
札幌への通勤率が最も高い周辺都市は、石狩市(42.5%)で、その後に北広島市(39.4%)、江別市(38.7%)、当別町(31.6%)が続きます。これら4都市は札幌市のベッドタウンであることが推察されます。
また、小樽市はこの都市雇用圏の副中心都市として位置づけられています。小樽市から札幌市への通勤率は12.9%です。
これらから推察されることは、大規模単位での札幌都市圏、中規模単位での小樽都市圏、2つの都市圏が存在することです。小樽市周辺の余市町・古平町・仁木町から札幌市への通勤率はどれも約1%であり、小樽市への通勤率が高いことが予想されるので、札幌市と小樽市の経済関係は大きいですが、余市町・古平町・仁木町にとっては、小樽市あっての経済ということができるのではないでしょうか。



まとめ


石狩振興局は札幌市があることにより第三次産業が主要な産業であることが、データからわかりました。また、都市圏という枠組みで経済を見ていくことの重要性も確認しました。
さて、道央経済入門の最後を飾るのは、かつての北海道経済の代名詞である石炭に翻弄され続けた空知を扱います。

前の記事へ

【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」⑩ ~道央経済入門・日高編~

次の記事へ

【#えぞ財団】 連載企画「#北海道経済入門」12 ~道央経済入門・空知編~
https://note.com/ezozaidan/n/n6170d962353d



Membership

さあ、学ぼう。つながろう。
そして、鹿児島から動き出そう。

薩摩大学は、今ここから始まります。

Price

会員料金

Special Offer
離島割引50%off

離島の方はすべてのプランに対して、離島割引として表示価格から50%offとさせていただきます。
ご希望の方は下記の問い合わせフォームより、離島割引と入れてお問い合わせください。

法人向けプラン

法人向け
法人ゴールド会員
年額660,000(税込)
(※請求書一括払い)
月額55,000(税込)
  • 薩摩会議50万円協賛枠
    (ロゴ掲載、当日3名招待、事前事後特別プログラム2名招待)
    ※年額払い企業対象
  • 全講座の参加権利
    (各回3名まで)
  • 終了後の講師を交えた懇親会参加
    ※参加費別
  • アーカイブ動画の社内展開可能
  • 県外/海外ラーニングジャーニー(視察)優先参加枠
法人向け
法人シルバー会員
年額396,000(税込)
(※請求書一括払い)
月額33,000(税込)
  • 薩摩会議20万円協賛枠
    (ロゴ掲載、当日2名招待、事前事後特別プログラム1名招待)
    ※年額払い企業対象
  • 全講座の参加権利
    (各回2名まで)
  • 終了後の講師を交えた懇親会参加
    ※参加費別
  • アーカイブ動画の社内展開可能
  • 県外/海外ラーニングジャーニー(視察)優先参加枠

個人向けプラン

法人向け
法人ゴールド会員
年額660,000(税込)
(※請求書一括払い)
月額55,000(税込)
  • 薩摩会議50万円協賛枠
    (ロゴ掲載、当日3名招待、事前事後特別プログラム2名招待)
    ※年額払い企業対象
  • 全講座の参加権利
    (各回3名まで)
  • 終了後の講師を交えた懇親会参加
    ※参加費別
  • アーカイブ動画の社内展開可能
  • 県外/海外ラーニングジャーニー(視察)優先参加枠
法人向け
法人シルバー会員
年額396,000(税込)
(※請求書一括払い)
月額33,000(税込)
  • 薩摩会議20万円協賛枠
    (ロゴ掲載、当日2名招待、事前事後特別プログラム1名招待)
    ※年額払い企業対象
  • 全講座の参加権利
    (各回2名まで)
  • 終了後の講師を交えた懇親会参加
    ※参加費別
  • アーカイブ動画の社内展開可能
  • 県外/海外ラーニングジャーニー(視察)優先参加枠
個人(社会人)向け
個人会員
年額132,000(税込)
(※請求書一括払い)
月額11,000(税込)
  • 全講座の参加権利
  • 終了後の講師を交えた懇親会参加 ※参加費別
  • アーカイブ動画見放題
  • 県外/海外ラーニングジャーニー(視察)優先参加枠
  • 薩摩会議の参加権利
    ※年額払い会員対象
個人(社会人)向け
学生会員
年額66,000(税込)
(※請求書一括払い)
月額5,500(税込)
  • 全講座の参加権利
  • 終了後の講師を交えた懇親会参加 ※参加費別
  • アーカイブ動画見放題
  • 県外/海外ラーニングジャーニー(視察)優先参加枠
  • 薩摩会議の参加権利
会員以外の方もOK
単発受講

Peatix経由で都度イベントを申し込みいただき、単発で受講することも可能です

※イベントによっては人数上限があるので会員優先となりますのでご了承ください

Partner’s Contents

日本各地のパートナーが発信する情報

Video

動画コンテンツ

Article

記事コンテンツ

Category

カテゴリ