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  • 【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」52 知内温泉旅館18代目湯守 佐藤昌人~『知内に生まれ育って幸せだ!という』知内プライドを子どもの世代にも受け継ぎたい~
【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」52 知内温泉旅館18代目湯守 佐藤昌人~『知内に生まれ育って幸せだ!という』知内プライドを子どもの世代にも受け継ぎたい~

【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」52 知内温泉旅館18代目湯守 佐藤昌人~『知内に生まれ育って幸せだ!という』知内プライドを子どもの世代にも受け継ぎたい~

えぞ財団 2026年6月29日
佐藤 昌人:1981年北海道上磯郡知内町生まれ。北海道最古の温泉とされる知内温泉旅館18代目湯守。株式会社知内商事 代表取締役。知内町観光協会 副会長。木古内高等学校、函館佐藤調理師専門学校を卒業後、26歳で地元・知内町へ戻り、家業である知内温泉に携わる。観光協会青年部の立ち上げや、知内温泉の経営に本格的に携わり、2024年6月には温泉×サウナのハイブリッドサウナ「呼吸の間」をオープン。サウナシュラン2025、グッドデザイン賞2025を受賞し、全国から注目を集める施設へと成長させた。2025年11月、農業・漁業・林業・観光など異業種の仲間とともに株式会社知内商事を設立。現在は、知内温泉と知内商事の両輪で“100年後もこの町を残すための挑戦”を続ける実践型経営者として活動。温泉、観光、サウナ、食、地域資源活用、人づくりを通じて、知内町の未来づくりに取り組んでいる。

北海道最古の温泉”知内温泉”に生まれ育ち湯主へ、知内の未来づくりに励む


佐藤さんは、道南の知内町で生まれ育ち、”北海道最古の温泉”として800年続く知内温泉の18代目湯主です。人口は4000人を割り、最も人口が多かった1985年のおよそ半数まで減少した知内町の未来を見据え、温泉・宿泊業のみならず”知内町の未来づくり”に取り組み、観光協会青年部の立ち上げやサウナ事業、様々な地元事業者による株式会社知内商事など精力的に活動しています。
知内温泉で生まれ育った佐藤さんは、幼少期から祖父母をはじめ、親戚からも「お前は温泉をつぐんだぞ」と言われ続けてきたこともあり、「自分に温泉を継ぐ以外の選択肢はないと思っていた。実際に保育園と小学校の文集にも『温泉を継ぎます』と書いていたという反面、自分の夢はこれしかないという外部的圧力も今考えたら多分にあったと思います」と当時を振り返ります。警察官だった父親の影響で小1から剣道、小2からは野球とスポーツに没頭しました。進路を決める際には「なんとなく温泉を継ぐことや、将来にいきるかな」との想いから、函館の調理専門学校に通い、在学中に調理師の免許も取得しました。



「おじいちゃんおばあちゃんが元気がない!」知内温泉で働くなかで見えてきた”地元の将来への不安”


幼少期からじいちゃんばあちゃんっ子だった佐藤さんは、”年齢による衰えととももに代々続いた知内温泉の担い手への心配があり祖父母ともに元気がない”というのを聞きつけ、26歳からは知内温泉で働くことを決意します。
子どものころからお手伝いはしていたのですが、やはり”仕事”として働くのは大変で、仕事の内容はもちろん、しきたり、お客様対応など様々なことを覚えるのに必死でした。知内温泉で下積み生活を送っている佐藤さんはこのころから「知内にはまだまだ伝えきれていない魅力がある、と同時にこのままでは観光業や町存在意義の先行きが不安だ」と考え、課題解決のためには地元の若者が一枚岩にならなければいけないと民宿業の友人やお土産品の製造販売をする友人たちと共に、知内観光協会青年部を立ち上げます。YouTubeで地元PR動画の作成・配信を手探りでやってみたり、イベント企画&運営や、他地域への積極的な出店などチャレンジ、知内町内の同世代の若者たちにも助けられ、町内外への知内の魅力発信に取り組みました。


大好きな祖父の他界、知内温泉の経営に本格的に関わる「不安がとてつもなく大きかった」


2016年35歳を迎えた頃には、知内温泉の経営にも正式に携わるようになり、会社運営として予算や売上・支出など会社経営に必要な知識を祖父と税理士から学ぶことになります。
「例えば決算書というものの存在は知っていたけど、見たところで『なんだこれ!?ちんぷんかんぷん』というのがスタート。それからいろいろ丁寧に教えてもらって、今となっては本当に地味だけれど経営するにあたって基礎であり大事なことを学んだと思いました。現場のことはこの時すでに下積みである程度はわかっていましたが、数字の面に関しては本当にシビアで寝ずに計算していたこともあります」と当時を振り返りました。
2018年には本当にかわいがってくれていたという知内温泉の会長であり祖父が他界しました。「悲しい気持ちはもちろんありましたが不思議と、俺がやるしかないなという強い決心ができました。これと同時におじいちゃんの存在が大きかったため『自分に知内温泉の経営や運営が自分にできるのか?』という不安がとてつもなく大きかった」と話してくれました。

厳しいコロナ禍を迎えるも、攻めた経営と取り組み。「コロナ禍でもきてくれた地元&町外客に”また来たい”と心から思ってもらえる温泉に」


温泉や宿泊施設を経営をするうえで、とても厳しい思いをしたのが新型コロナウイルスの影響です。「今振り返ってもなかなか厳しい期間でした。ステイホームはもちろん旅行・観光業への影響は計り知れませんでした。先行き不安が相当あったのは事実ですが、ここは気持ちを切り替えて次に来るステップに備えようとお考えました。2020年もコロナ真っただ中で多くの観光業や旅館業が厳しい状況を強いられていましたが、今やるべきと考えて老朽化が進んでいた温泉自体の改装工事に着手します。収入は安定しないのに確実に支出は出るという決断ではありました。ただコロナで行動が制限される中でも、ひと時の安らぎとして足を運んでくれた地元のお客さん、楽しみに来てくれた町外のお客さんには本当に救われました。コロナ禍でも足を運び続けてくれた地元も町外のお客さんも本当に自分たちができる限り大切にして”また来たい”と心から思ってもらえる温泉にしたいと改めて感じました」と当時を振り返りました。

「本気ですごいサウナを作りたい!」温泉×サウナに予約殺到!サウナシュラン&グッドデザイン賞も受賞


また、コロナ禍でまだまだ先行き不安だった時期の2020年頃、知内温泉の敷地内でテントサウナをやってみたところ、本州はもとより遠くは沖縄からもサウナ目当てで来てくれていたことに驚きました。テントサウナは極論、モノさえあればどこでもやれるものですが「わざわざ来て下さるお客様は知内や自然、この場所に魅力があるのかも」と考え、簡易的な”テントサウナ”ではなく”常設化”を視野に行動を起こします。ただ、このころはまだまだコロナによる影響で売り上げもよくはなく、また先行きも不安でしたが「どうせやるなら本気ですごいサウナを作りたい!」と考えてから構想約4年を経て、2023年に着工し、2024年6月に”温泉×サウナのハイブリッドサウナ「呼吸の間」”をオープンさせました。
”世間はサウナブーム”というのもあり、期待に胸を膨らませ、またオープン前からPRも頑張っていましたが、オープン後は想像とは正反対の世の中の反応で、正直全然お客さんが入りませんでした。「かなり工事費などもかかっているし、どうしようと思って本当にかなりへこんでいました」
しかし翌年の2025年から口コミやサウナーの高評価により、予約が殺到し予約を断わざるを得ないほど、賑わいを見せました。サウナシュラン2025、グッドデザイン賞2025を受賞し、多くのメディアで取り扱われ、全国からサウナを目当てに知内温泉を訪れるお客さん増えました。「とても嬉しかったのは確かにサウナをきっかけに最初は知内温泉に来てくれる。ただ、うちは”温泉宿”北海道最古の温泉を堪能してもらって、こだわりの地元中心の食を食べてもらって、大自然を満喫してくれることで”知内温泉や知内町のファン”になってくれることがとても嬉しかったです」

【北海道サウナ】呼吸の間知内町/大自然の山の中に新サウナ「呼吸の間」がオープン ◆源泉かけ流し温泉とサウナの融合!全く新しいサウナ体験◆北海道で究極のととのい/貸切

『知内に生まれ育って幸せだ!という』知内プライドを子どもの世代にも受け継ぎたい


知内町という目線で考えると人口減少を基準にすると維持はおろか、衰退も避けられないと思っています。「ただ、今年の8月に子どもが生まれるので、この子の人生を考えても“100年後もこの町を残すための挑戦”は今生きる僕たち大人が憂いていても始まらないので、挑戦するべきだと考えています」
佐藤さんは考えるだけではなく実践型経営者として、温泉、観光、サウナ、食、地域資源活用、人づくりを通じて、知内町の未来づくりの取り組みに挑戦を仕掛けます。同じような課題を持っている異業種の経営者やキーマン(ニラ農家、牡蠣漁師、昆布漁師、中小企業診断士、元銀行マン農家、木材製材行、町議会議員、観光業、温泉旅館業)が集まり、2025年「百年後の知内の物語を創る地域商社・知内商事株式会社」を立ち上げます。知内町における地域資源の価値向上・コミュニティ形成を目的に、知内の地域資源の価値を未来につなぐプロジェクトを地域の先頭に立って展開してまいります。早速第一弾プロジェクトとして、知内町の大事な一次産業農業におけるしりうちにら「北の華」の認知拡大やプロモーションを仕掛けています。
「子どもの時から温泉の孫、今は知内温泉の18代目湯守として温泉・宿泊・飲食行を経営しています。その時その時で見える景色や、考えることは違いますが、『とにかく僕は知内が好きだし、無くなってほしくない』ただ、何も行動を起こさずにいては衰退してしまう一方かもしれないけれど、考えて行動してチャレンジしてみるしかないと考えています。それが僕一人だけではなく、知内商事のや地元の仲間、知内町外のメンバーと色々な人の知恵を集めれば、知内町が抱えている課題解決に向けて、何かしらできるかもしれないと思ってます。『知内に生まれ育って幸せだ!という』知内プライドを自分の子どもたちの世代でももてるような地域や町にいろんな人たちとできたらよいです!」

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