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  • 【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊴士幌町・きくや旅館とラジオDJ/後藤さん~”十勝×仲間×発信” と”旅館業勉強” 経験をもとに描く十勝・北海道の未来像~
【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊴士幌町・きくや旅館とラジオDJ/後藤さん~”十勝×仲間×発信” と”旅館業勉強” 経験をもとに描く十勝・北海道の未来像~

【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」㊴士幌町・きくや旅館とラジオDJ/後藤さん~”十勝×仲間×発信” と”旅館業勉強” 経験をもとに描く十勝・北海道の未来像~

えぞ財団 2024年1月30日

もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回ご紹介するのは、後藤朋子さん。道東の士幌町で3代続く旅館の事業継承を視野に月の半分を十勝で過ごし、残り半分を札幌でラジオDJとして活動し十勝と全道、全国を繋ぎ発信する日々を送る。

後藤朋子:1972年、帯広市出身。幼い頃からラジオDJに憧れ28歳で十勝のコミュニティラジオ局JAGAでDJデビュー。十勝毎日新聞社札幌支社を経て、23年退職。現在は士幌町で実家が営む旅館の事業継承に向け見習い生活をしつつ、ラジオDJや地方創生活動にも取り組む。趣味は少しのお酒とおいしい食事、クラブ、LIVE、バスケットボール観戦。

新聞社社員→旅館事業継承へ!ラジオDJと地方創生事業も取り組み、士幌町と札幌の2拠点生活


士幌町は十勝の北東部に位置する総面積の約60%が農用地という、まさに農畜産業の町で、人口は6000人弱です。きくや旅館は後藤さんの祖父にあたる後藤正雄さんが1942年に創業しました。旅館と言っても宿泊だけでなく、会食、お弁当、ご法要から祝いの席まで町の小さな催事場の役割も担ってきました。とりわけ七面鳥料理が人気で、そのルーツは1950年頃、正雄さんが米国軍人の残していった七面鳥を引き取り調理して提供したところ、名物料理となり”きくや旅館と言えば七面鳥料理”というお客様も多いそうです。”地元に愛される旅館の娘”である後藤さんは、十勝毎日新聞社系列のラジオ局DJ、十勝毎日新聞社札幌支社の勤務を経て、現在きくや旅館の事業継承を視野に入れています。「月の半分は士幌町で旅館の女将見習いというか、本当新入社員の気持ちで両親から色々教えてもらいながら奮闘しています(笑)もちろん実家なのでなんとなくの旅館業や会食などはわかっていたつもりでしたが、初の接客業は奥が深い…まだまだ見習いです。あと月の半分は、札幌を中心にラジオDJ(FM NORTH WAVE)など”しゃべる仕事”や田舎でのスポーツ教室など地方創生の仕事を”道内2拠点生活”で送っています。ハードな毎日ですが本当に楽しいです。自分でもどこからこんな元気が湧いてくるんだろうというくらい動き回ってます(笑)」と語ってくれました。


小学校3年で突如、一家で札幌へ。両親は夜中まで仕事で、寂しく辛い時間を癒してくれた”ラジオ”との出会い


後藤さんの実家きくや旅館では、1975年頃からは、現在の館主であり3代目の後藤さんの父、正弘さんが帯広できくや旅館の2号店となるお店を切り盛りしながら、十勝の味をお土産にできるようにと燻製品作りの事業を始めました。七面鳥、士幌牛をはじめ豚、鶏肉、山菜のピクルスやニンニクの加工品など、全て手作り無添加で提供しています。コロナ禍の数年間は会食、宴会が一切無くなった中、なんとか士幌町の故郷の味、きくや旅館の味を絶やさぬようにと燻製品作りに注力し、十勝管内でもしほろ道の駅を始め数ヶ所、また札幌圏にも販売ルートを広げました。後藤さんが小学校3年生の時、父の正弘さんは一大決心をします。十勝を離れ、札幌ススキノにお店を移すことを決断し、一家で札幌へ引っ越しました。「正直今だから言えますが、仲良かった友達、遊んでいた場所もなくなり、誰も何も知らない札幌へ。父と母は夜中まで仕事で不在でしたし、祖母と2つ年下の泣き虫の弟と過ごす日々でしたが”お姉ちゃんなんだから”という意識で必死に大人になろうとしていました」と当時を振り返ります。家に帰ると燻製を作る宿題が待っています。父からのメモと500円玉が置いてあって、それがお手伝いをしたお小遣いになります。粗塩をすり鉢で細かくなるまですったり、燻製をアルコールで拭いたり、真空パックに詰めたり、お店で使う箸を箸袋に入れたりと子供にとってはなかなかの量のお手伝いでした。そんな決して楽しいとは言えない札幌での生活を支えてくれたのが”夜のラジオ”だったそうです。
「子供の頃からバレエを習ったり、母とレコードをかけて歌ったり踊ったりしていたので、音楽が身近でした。その音楽を聴きたくてつけたラジオから“優しい声”がして、本当は寂しくて甘えたくて泣きたい日も、ラジオが自分を大人にしてくれた、お姉ちゃんでいさせてくれたんだと思います」
後藤さんが高校生の時に再び、家族は十勝へ戻ることになります。父、正弘さんが本家である士幌町のきくや旅館を継ぐことになったからです。帯広で生まれ育ち、札幌から帰ってきた後藤さんはそこでまた友達も遊ぶ場所も全てを失い途方に暮れます。その時も支えてくれたのはラジオでした。




母になってかなえた”ラジオDJ”活躍は広がり勝毎花火大会やスポーツ事業も


寂しい学生時代、十勝でも札幌でも、後藤さんにとって心の支えになったラジオ。いつの日か、ラジオの向こう側で話すことが後藤さんの夢になっていました。しかしラジオで話す仕事は夢のまた夢だと思い、大人になり働き、結婚、27歳になった後藤さんは1児の母となっていました。息子と過ごす日々の中で母親として知見や常識を身につけるために新聞を購読しようと十勝毎日新聞をとります。その中に”地元ラジオ局DJ募集”の文字を購読して2日目に見つめます。
「いつか息子に夢を諦めるな、という日が来るだろう。その時に自分がチャレンジしていなかったら説得力がない!」とチャレンジ
しました。実は当時、年齢制限もあった中、規定を超えての応募でしたが、見事ラジオDJとしてデビューし、夢を叶えることができました。
始めてすぐに、これは天職だ、と感じました。音楽も言葉も体の中から湧いてくるように浮かんでくる。そしてあの頃の布団の中で聞いていた子どもの頃の自分のような誰かがきっと聞いてくれている…と思うと使命のようなものを感じました」と話します。十勝毎日新聞社グループは新聞、フリーペーパーの編集、ラジオ、テレビ、観光、飲食、と幅広い組織であることから、



十勝毎日新聞札幌支社で営業に、ラジオも十勝ローカルから全道に「十勝を発信する」へ


2021年十勝毎日新聞社札幌支社に営業職として出向すると転職したくらい、仕事の内容も暮らしもガラッと変わりました。久しぶりの札幌生活で疲れて時々帰る”十勝”にホッとしてる自分に気が付いたといいます。若い頃は田舎が嫌で、だったら自分が田舎を変えてみよう!と仕事の中でもチャレンジしてきましたが「田舎は田舎だからいいんじゃないのか」と、ふと思うようになりました。野菜のおいしさ、朝起きてカーテンを開くと空が高くて青いこと、空気が澄んでいること。星がたくさん見えること。人と人の繋がりがあったかいこと。十勝に暮らしているときは当たり前だったモノが宝物に感じました
「こんな素敵な十勝をもっと知ってほしい」そう思った時、ずっと大好きでで聞いていた憧れの「FMノースウェーブ」で十勝を発信する番組をDJとして担当することになりました。「自分の才能を見抜いて信じ道を開いてくれた新聞社の社長、サポートしてれた札幌支社の皆さんには本当に感謝しています。リスナーさんから十勝行ってきましたよ!行きたくなりました!という声をいただくと、仲間が増えたような気持ちになります。いつも人には恵まれてきた人生だなと思います」
ただ、札幌生活を送る中で父と母が「きくや」を営んでいたススキノのビルの前を通ると、当時両親は今の後藤さんくらいの年齢だったことを思い出し、「両親も毎日この街中で立ち続けて必死に私を育ててくれたんだ。と思うと歳を重ねた両親のことがずっと胸から離れなくなりました。と同時に高齢になった今も士幌でなんとか踏ん張ってきくや旅館を続けてくれていることを考えると、このままでいいのだろうか?10年後、20年後の自分、家族、そして十勝、北海道を考えるようになりました。私に何ができるだろう?と強く思うようになりました」と胸の内を話してくれました。


「きくや旅館さんなくなったら困るよ」地元に愛される実家の事業継承を視野に独立、見習い女将”へ


十勝毎日新聞社札幌支社で働く毎日を過ごしながら、時折士幌町に帰省すると地元の方々から「きくやさん無くなったら困るよ」「後藤さん、士幌をお願いしますね!」「もっともっと発信してください」と声をかけて頂くことが増えました。弟がいたので私自身は全く、きくや旅館の後継者になるというイメージはありませんでしたが、今の私だからできる形があるのではないかと思い「地方に暮らし地方を創りながら、発信する人になればいいのでは」と独立を決意します。20年余り勤めた会社を退職しDJや司会業はフリーランスとして、道内をベースに活動。併せてきくや旅館の事業継承に向けて、まずは”見習い”という形から始めました。
「札幌と十勝の行き来が大変ですね、と言われることも多いのですが、2拠点だからこそ見えるもの、わかることもあり移動中の交通機関の中でインプットしたりと少しづつですがスタイルを作っている途中です。今は父と『きくや旅館で落語ランチ会をやってみようか』とか、『燻製品を十勝の他の商品とコラボしてみようか』と親子ではありますがミーティングする時間が楽しいです。そしてもっともっと燻製品をいろんな方に味わって欲しいです。手前味噌ですが、本当に父が作った燻製は“なまらおいしいん”です。在庫がなくてしれっと実家から購入して食べる時もあります」とこっそり教えてくれました。

”十勝×仲間×発信” と”旅館業勉強” 経験をもとに描く十勝・北海道の未来像


会社には会社の仲間がいましたし現在も連絡は取りあいます。そしてフリーランスになりラジオは続けつつも、地元との関係性も密になる中で後藤さんはどんどん仲間増えています。「仲間の素晴らしさを教えてくれたのは、息子でした。小学校から大学までバスケットボールをしていた息子の姿から学んだことは私の人生を変えました。息子がバスケットボールをやっていたこともあり、十勝の幕別町では、10年弱前からスポーツ事業を企画していて、現役のプロバスケットボール選手を十勝に来てもらい、一緒にバスケットボールをしながら、地元食材を使ったランチで”食育”もするという企画です。現在ではバスケのプレイ中は”英語を話してみよう!”という【"SPORTS & ENGLISH"×食育】という新たな挑戦のサポートもしています」

十勝MINI EZOCA FES 2023
https://youtu.be/I3QdaHPaILE?si=wm36gNg4ip1HsSGs


2023年10月から独立する際に名刺をお願いしたのが、数年前からお仕事で出会いリスペクトしているというPATTERN PLANNING株式会社の赤坂さん。普段は若菜ちゃんと呼んでいます。信頼できる彼女と彼女のチームに私の肩書きを考えて欲しかったのでお願いしました。それが「じゃべるまわり設計」。話すことでそれに関わることを「設計」する人。「私は「じゃべる」ことで仲間を増やし、繋がり、創り、発信していくことが今の役割かなと思っています。
きくや旅館の仕事も実家とはいえ、まだまだ素人で、見習いです。ラジオのお仕事も番組以外でも広がりがあります。そして十勝、北海道という地方創生も一緒に造っていく仲間と対話しながら、温かなみんなを笑顔にできるチームを作りたいです」と話し決意を新たにしていました。
 
■後藤さんのラジオ出演番組
●「Feel TOKACHI」
FMノースウェーブ 毎週土曜日8:00〜放送
十勝のコミュニティラジオ局 JAGA 毎週土曜日16:00〜放送
●「Business News Cloud」2月より
FMノースウェーブ 毎月第一水曜日 25:30~ (Podcastあり)

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